「國弘流 英語の話しかた」(國弘正雄著)は英語学習者は必読の名著で名言の宝庫!

「國弘流英語の話しかた」は、「同時通訳の神様」と言われる國弘正雄氏の著書です。

初版は1999年12月25日ですので20年前にもなりますが、今なお多くの英語学習者に読まれ続けている色褪せることない名著です。

「國弘流 英語の話しかた」とは?

昨今の徹底的な音読の必要性を謳った学習法の流れは、この著書の影響を受けたものが殆どと言って過言ではありません。

徹底的な音読の必要性を説くときに、この著書が引用されることがとても多いので、名前だけでも聞いたことがある方も多いはずです。

この著書のキーワードは、何と言っても「只管朗読」です。

「只管朗読」とは、道元の「只管打座」にヒントを得た國弘氏の造語で、「ひたすら朗読する」とうい意味です。

朗読すると言えば、普通は1つの文章を10回から20回もすれば充分と思いがちですが、國弘氏は、中学時代の英語の恩師の言葉に従い、1つのレッスンにつき、500回から1000回も読んだと語っています。

当時、楽な英語学習法を売り物にする本が多数な中、この書物のハードな内容に衝撃を受けたのを今でもはっきりと覚えています。

単純な学習を愚直に繰り返すことで、英語の学習が「理解」で止まることなく、深化していくことの必要性を説かれた内容は、本当に画期的だったと思います。

「歩けるようになるには自然になるけど、逆立ちはちゃんと練習しないとだめだ。英語は日本人にとって逆立ち。」という國弘氏の言葉は、日本人の英語学習の一つの視点として的確な比喩だと思います。

私と「英語の話しかた」の出会い

私が20代のころ、英語の学習に伸び悩んでいときに出会いました。

英語の試験勉強は、中学の頃からわりと成績優秀でした。しかし、ネイティブと話すのはもちろん、会話を聞き取ることができませんでした。

本当はネイティブとのスムーズなやり取りに憧れていた自分にとって、偏差値やテストの点数でしかリターンのない英語学習に疑問を持っていました。

しかし、そんなモヤモヤを抱えながらも、背伸びをしてUSA TODAYを購読したりして、「英字新聞を読んでいる」という自分に酔いしれて現状に満足していました。

たまたま、書店に平積みになっている『英語の話し方』を手にして一読して、「これだ!」と胸が高鳴ったのを今でもはっきりと覚えています。

中学レベルの英文を平均500回、課によっては1000回音読した

そんな同時通訳の神様のあまりに平凡すぎる英語上達の秘訣に、自分に足りないものが何か明確になった気がしました。

『英語の話し方』は、名言の宝庫です。

何度読んでも発見があります。

実は、私の手元には綺麗な状態の『英語の話し方』がありますが、4冊目です。何度かボロボロになっては買い換えました。

たぶん、100回は読んだともいます。ある意味、こちらの本も只管朗読というか、只管黙読しました。英語を志す方には、ぜひ手元に置いて欲しい1冊です。

『國弘流 英語の話しかた』の内容

『國弘流 英語の話しかた』の内容をざっと紹介します。

第1部 只管朗読編

まずはなにをおいても、第1部を読みましょう。

特に第1章から第3章までは何度も読みましょう。第1部は、ちなみに目次では次のようになっています。

第1章 私の只管朗読

第2章 繰り返すということ

第3章 只管朗読にはどんな功徳があるか

第4章 発音についての問題

第5章 只管朗読の段階について

第6章 只管朗読の教材について

第7章 大学入試の長文読解と只管朗読

第1部の第1章から第3章まで読んでしびれる感動を感じなかったら、おそらく、その後読んでも得るものはありません。
他の学習法を模索した方がいいです。
第1章から第3章までを読んで、中学レベルのリーダーのテキストは、何百回と繰り返し音読するという世界観を受け入れられない人は当然出てくるはずです。
次の引用は、第1章から第3章までのものです。

これを声に出して繰り返し読んだのです。おそらく一つのレッスンについて平均五百回、課によっては千回も読んだだろうと思います。

 

英語を習得することに漠然とあこがれはするが、これといった成果を上げられない人というのは、基本技術の習得に関して、見通しが甘すぎるのです。

 

中学の教科書どころか、高校の教科書まで一通り意味の分かる人はたくさんおるのです。ただ、一通りでは飛躍はできません。それは過去の結果を見れば一目瞭然です。

いかがでしょうか?

実際に本全体を読まないと感動は伝わりにくいですが、それでもこの名言を読んで感じるところがあれば、ぜひ『國弘流 英語の話しかた』を手に取ってください。

第1部では、只管朗読にどんな教材を使った方が詳しいアドバイスもあります。

第2部 英文法編

第2部の英文法編では、國弘先生と英文法との関わりについて書かれています。

第1部と異なる視点からの記述になりますが、第1部がしっかり腑に落ちているなら、すんなりと読めると思います。

第1部の目次は次の通りです。

第1章 私と英文法

第2章 文法を知っているということ

第3章 文法をめぐるいろいろな主張

第4章 シュリーマンの方法について

第5章 文法は自分が必要と思うだけ勉強すればよい

英文法必要論、不要論は議論になることが多いです。

國弘先生の文法に対する態度は、次の1文に集約されていると思います。

 

文法の勉強に、音読や暗誦という訓練を上乗せしています。文法書をただ読むだけではありません。

文法も理解で終わらせるのでなく、きちんと音読を繰り返し自分の血肉となるまで訓練をして意味があるものになるということでしょう。

さらに次の言葉も刺さる人が多いのではないでしょうか?

 

文法の理屈や文法用語の暗記が足りないのではありません。訓練が足りないのです。ふつうの本を読む感覚で文法書に取り組み、紙の上でのドリルをちょこちょこやった位では、文法を勉強したことになりません。

文法にどのように取り組むかという姿勢も大事だと思いますが、やはり、私は、『國弘流 英語のはなしかた』の本質は、第1部の中学レベルの簡単なテキストを何度も繰り返し読むということに集約されていると思います。

第3部 活用自在編

活用自在

このキーワードを聞いて、勘がいい方はすぐに意味が分かると思います。

英語を自在に操る能力のことです。

只管朗読を國弘先生のご指示通り、1つのテキストを500回、1000回と繰り返したとします。これらは、他人の書いた英語であり、自分の言葉ではありません。

あくまで、英会話に取り組む多くの人にって、真の目的は朗読することではなく、自分の言いたいことを話すということです。その段階こそ活用自在です。

只管朗読から活用自在にどう移行するのか?

英語に真剣に取り組んでいる方なら、おそらく疑問に持つであろう重要な疑問に國弘先生がお答えくださっています。

まずは、活用自在編の章立ての紹介です。

第1章 英会話と活用自在

第2章 只管朗読と活用自在

第3章 主題レベルの活用自在

第4章 概念レベルの活用自在

第5章 文法と活用自在・構文レベル

第6章 文法と活用自在・発送レベル

第7章 単語レベルの活用自在

第8章 英語を使うことと活用自在

第9章 英作文と英借文について

第10章 ご自分の責任でおやりなさい。

第11章 われも昔は男山

さて、この第3部の本題である「活用自在への移行」は、どのおように実現すればいいのでしょうか?
無我夢中で他人の英語を繰り返いしているうちに、少しずつ自前の英語が出てくるようになったという印象しかないのです。
只管朗読とはただ単に他人の英文を朗読するのが目的ではなく、明確に活用自在を志向するものだということを胸に刻んでください。

これらの引用を読んで分かるように、何か特別なことをしなくても、只管朗読を繰り返すことで、自然と活用自在の域に到達できるようです。

ただし、「英語を実際に使ってみる」ことの重要性も先生は指摘されています。

これに関しても、ぜひ、認識して欲しいです。多くの日本人は真面目に表現のストックに努めます。

カードに書いたり、スマホにストックしたりと工夫もします。

しかし、ネイティブスピーカートと会話することを先延ばしする人が多いです。

「もっと話せるようになってから・・・」

これだといつまでたっても上達しないのは、私も多くの学習者を見て実感していることです。

不完全かもしれない。間違っているかもしれない。もっと言えば、まったく伝わらないかもしれない。

そんな苦痛な経験を通じて、自分に足りないものが分かります。その苦しみを克服して自分の英語が通じたときの喜びは格別です。

英語を話せるようになりたいなら、英語を話すことから逃げないでください。

只管朗読による内的な高まりに、この外からの「場の強制力」がプラスされると、必ず活用自在に向かって方向づけがなされます。

第4部 日本と世界と英語編

第4部は20ページに満たない分量になっています。さらっと読めるでしょう。

『國弘流 英語の話しかた』以外のおすすめの英語学習本

『國弘流 英語の話しかた』以外に英語学習法に関する影響力の高い本を紹介します。

『実力大競争時代の「超」勉強法』

野口悠紀雄氏の『実力大競争時代の「超」勉強法』はかなり話題になった本です

文法軽視という点では、『國弘流 英語の話しかた』とは毛並みの違った内容ですが、参考になることは多いです。

村上式シンプル英語勉強法


留学経験も海外旅行経験なかった筆者が
、独力で英語を身につけた英語学習法は非常に参考になりました。

また、村上氏のグーグルの日本法人副社長にまで登りつめた経歴もあり話題を呼びました。

多読を強く勧めています。

只管朗読に理想のテキストを紹介

英語の勉強法を“研究”するくらいなら生の英語をどんどん吸収しようとアドバイスをいつもしている私ですが、『國弘流 英語のはなしかた』に関しては話は別です。

何回でも何十回でも読む価値のある本です。

ただ、読むだけではいけません。

実際に、中学レベルのテキストを何度も繰り返し音読することで、英語力が飛躍するきっかけになるはずです。

そして、最後に只管朗読を実践するためにおすすめのテキストを紹介します。

有名な本ですので、ご存知の方も多いでしょう。

『英会話・ぜったい・音読 CDブック 入門編』です。

次に『英会話・ぜったい・音読 CDブック 標準編』です。

そして『英会話・ぜったい・音読 CDブック 標準編』です。

これらの3冊は、國弘先生の提唱する只管朗読を実践するの最適のテキストです。

この3冊は、國弘先生の考えに基づいて構成された音読実践プログラムです。

それぞれの編は、次のレベルになります。

入門編・・・中1、2英語の教科書から選択

標準編・・・中3英語教科書から選択

挑戦編・・・高1英語教科書から選択

おそらく、多くの方は、挑戦編から取り組みたいはずです。それなりに使えそうなレベルの表現が多くあります。

しかし、只管朗読を極めたいなら、必ず入門編から取り組むべきです。

あなたが、MARCHレベルの現役大学生でも、英語が得意だった早慶卒業の社会人だろうがです。

「こんな簡単なの音読するの?」

そういう声が聞こえそうですが、そこから取り組んでこそ、意味があります。