「英文法」と聞いただけで、ウンザリされる人も多いでしょう。
細かい知識や例外など試験のための詰め込みに疑問も持つのももっともです。
ただし、それなりに高度な英文を読み込んでいくためには、英文法に対する
ある程度の知識は、不可欠になります。
単語と熟語をある程度知っていれば、英文を読めてしまうのですが、正確な
英文の読解のためには、最低限の「読むための英文法」を身につけたいです。
ただし、「読むための英文法」を学ぶ参考書の利用にあたっては、注意して
欲しい点を1点述べます。
読むための文法書のいくつかは、非常に目から鱗の内容のものがあります。
・冠詞の使い分け/ 「be going to」 と「will」の使い分け/ 現在形の
正しい使い方
など受験英語では決して教わらなかった英文法に関する深い分析に感動し、
英文法に関する「理論」に心を奪われ、英文の分類などに時間をかける人
も多いです。
しかし、「日本人の英文法」の著者T.D.ミントン氏は、「文法が絶対だ」
という考え方を以下のように問題だと考えています。
「文法知識が豊富であれば確かに有利だが、それですべてがうまく行く
わけではない。」
「外国語にある程度さらされた人であれば、たいていはその言語に対して
何が正しい表現で、何が間違った表現表現かの直観的判断力がついてきま
す。」
「この直観的判断力は、大方の人が考えている以上に信頼のおけるもので
す。にもかかわらず、外国語の勉強となると、文法の説明や規則に頼りす
ぎて、直観力をないがしろにする傾向が強く存在しているようです。」
上記のミントン氏の指摘は、英文法の限界を的確に指摘していると思います。
ミントン氏は、英文法の限界を超えるために多読の重要性を述べられています。
日本の授業に見かける、「1時間に1ページ、辞書を使って隅から隅まで」
式の読み方ではありません。200〜300ページくらいの上質の小説を、
逐語訳せず、辞書も見ずに、1週間に1冊のペースで読むのです。
「読むための英文法」の学習も大切ではありますが、その限界を意識して、
短期間で仕上げ、あとは多読に時間をかけることが重要だと思います。
以下にお勧めの「読むための英文法」関連の参考書を紹介いたします。
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・網羅的な文法書
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「表現のための実践ロイヤル英文法」(綿貫陽 マーク・ピーターセン 共著)
「Forest(フォレスト)」(石黒昭博 著)
「一億人の英文法」(大西泰斗 ポール・マクベイ 共著)
高校総合英語Harvest (鈴木希明 著)
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・テーマやポイントを絞った文法書
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基本英文法スーパテク222(勝見務 著)
ここがおかしい日本人の英文法(T.D.ミルトン 著)
英語は仮定法だ(西田透 著)
助動詞を使った(feeling)英会話 (多岐川恵理 著)
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