『英語のゴールデンフレーズ』(松野守蜂著)|斬れる表現が多数ある量より質のお勧めのフレーズ集

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「英語のゴールデンフレーズ」(IBC)は、「英語塾・THE・未来」を主催し『感動する!オバマ大統領の演説』など多数の著書を持つ松野守蜂氏を中心にR.LHowser氏、平野聖乃氏による共著です。

本のサブタイトルが、「ネイティブも驚嘆!秒殺の簡単フレーズ」とある通り、コンパクトながら通じるキレのある表現を集められています。

著書のなかで、ネイティブが感じる日本人英語の弱点として、次の3つを挙られています。

×長過ぎる

×丁寧過ぎて気持ち悪い

×文法的にはパーフェクトだが「自然」ではない

どうですか。思い当たる方で多いのではないでしょうか?

「長いってどういうこと?」とピンとこない方のために、次のような例文を使って説明されています。

「私のやっていることって、そんなに見え見え?」

日本人A  Did I say something that is so easy to see through?

日本人B  Is what I’m doing so easy to see?

どちらの英文も日本人らしい、大学入試の英作文では満点が貰えそうな英文ですが、著書では、自然な解答例として、

Am I that obvious?

を挙げています。

確かに、簡潔ですが、日本文の意味が伝わる自然な英文だと思います。

アメリカ映画を見ていると、こんな簡潔な表現が多用されています。

自分も英語を学習しだちは、日本語訳に対する英文を見て、「何てそっけない英文なんだ!」と物足りなく感じたものなんですが、そんな英文の方が自然なんですね。

そんな自然なフレーズが120も紹介されています。(第三章では、ゴールデンワーズとして最重要新語60が紹介されています。)

こういった斬れる表現集を読み込むことによって、英語の発想法を知ることができ、英語のセンスを向上させることに役立ちます。

「TOEIC最強の学習法」の著者で知られる池田和弘氏も、

This isn’t getting us anywhere.
(これじゃあラチがあかない。)

という例文を学んで英語と日本語の発想の違いに気がついたと書かれています。

では、「ゴールデンフレーズ」ではどんなフレーズが紹介されているかと言えば、

How bad can it be?
(たいしたことないじゃん?)

What’s for breakfast?
(朝食はなに?)

It pays to listen to me.
(ちょっとは私の話を聞いたら)

How soon do you think it’ll be?
(いつぐらいにそれ仕上がります?)

上の2つは、意外と言えない表現だと思います。

3番目の例文の「It pays to 〜」は、「〜して損はない」と言う意味でしっかり学習した方なら、一度は見たことある表現だと思いますが、少なくとも自分が大学受験をしていた時代には、知らなかった表現です。

映画でもよく見かけますが、意外と知らない人も多いのでは?と思います。

また、「How soon 〜?」も意外と使えない表現かもしれません。

How much, How many, How long と同様によく使われるのですが、大学生でも結構知らないようです。

最近のフレーズ集が2000例文以上あるのに対し、数は減りますが良質な英文が多いので是非、斬れる表現を意識して身につけて頂ければと思います。

ただし、勘違いしてほしくないのが、2000例文以上の分量があるフレーズ集を悪いと言っている訳ではありません。

むしろ、そういった例文集こそしっかり身につけるべきだと思っていいます。

例え不自然な英文が含まれていようが、身の回りの出来事を表現するのに絶対的な例文の分量は必要です。

英語の勉強にはバランスが大切だと思いますので、量をこなしながらも、ペースを落とし英語のセンスを上る例文を学ぶ機会を作れたらいいと思います。

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