当サイトだけでなく、多くの著名人や英語学習者に絶賛されている「話すための英文法シリーズ」を紹介します。著書は市橋敬三氏です。
このシリーズは、“話すため”の短文集です。現在、難易度に応じて超入門編2冊とSTEP1からSTEP7までの7冊の合計9冊が発売されています。(9冊のレベルの違いの解説は記事後半にあります。)
著書名に“英文法”と入っていますが、英文法を詳しく解説したものではなく、中学レベルの英文法の知識をフル活用して「話す力」を養うことを目的とした短文例文集になります。
似たようタイプの書籍に、「話すための瞬間英作文」がありますが、「話すための英文法シリーズ」の方が、使われている単語のレベルが高くなります。
参考記事「話すための英文法」と「話すための瞬間英作文」シリーズの徹底比較
どちらも、英会話を始めるにあたり良書になりますので、好きな方を選ばれるといいと思います。
「必ずものになる話すための英文法」シリーズの特長
「話すための英文法」の例文は、そのSTEPによって異なりますが、文法項目ごとに分けて、1つの項目に8〜10の例文が紹介されています。
ですから、1冊に約500の例文が収められています。
どんな文法項目を学んでいくかは、以下の一例の通り中学レベルの内容になります。
・疑問文中のanything 「何か」
・1音節の形容詞の比較級
・2音節以上の形容詞の比較級
・名詞を説明する関係形容詞
おそらく、多くの学習者にとって目新しい文法知識が身に付くことはなく、そこが飽きに繋がりやすいところです。
しかし、この単調さに我慢して、何度も例文暗唱を繰り返し、「英語の思考回路」が身に付ける必要があります。
著者は、この一連の作業を九九の暗記になぞらえて、次にのように著書で書かれています。
英文法の例文を暗記すると、英語の
構造、発想が身に付き一度完全にや
ると一生忘れないものである。皆さんの中に九九を復習した人はい
なであろう。かように暗記は長持ち
するのである。英語も同じで、暗記しておけばいざ
英語を話さなければならないときに、
頭に日本語ではなく英語で文が浮かん
でくるようになるので。
この点は、非常に私も深く納得できる点でした。
このレベルの英文を何度も繰り返し、自分の中で深化させることにより、「話す力」が短期間で急上昇します。
しかし、注意して欲しいのは、私がここで使うところの「短期間」というのは、通常の方であれば「半年間」を意味します。
この「半年間」を長いと考えて、“3日間で英語がペラペラ”になりそうな教材を探しまわる学習者が多いのが現状です。
半年なんてあっという間ですから、腰を据えて取り組んで頂きたい一冊です。
九九の話でピンとこない方は次の話だと理解頂けると思います。
「Do you speak Japanese?」
この英文は、多くの方が、ほとんど頭を使うことなく、口から出てくるのではないでしょうか?
「Do だっけDoes だっけ?」「speak だっけtell だっけ?」「Japaneseに冠詞って必要だっけ?」
これらの迷いがなく、殆んど全ての方が正しい例文を導けると思います。
これは、中学時代からこの例文を友人なんかとふざけて何度も何度も口にしているからです。
九九のレベルまでというのは、ここのレベルを言うのだと私は解釈しています。
多くの例文をこのレベルまで持って行けば、日常会話に不自由することはなくなります。
多くの基本例文をこのレベルまでもっていくことは、決して簡単なことではありません。ただし、特別の能力も必要はありません。
単調な作業を半年間も継続するのは、やってみると意外と大変です。他の教材に目移りしたり、誘惑によって私も何度か挫折しました。
関連記事私が「話すための英文法シリーズ」をやり遂げられた理由をご覧ください。
しかし、TOEIC900以上の方で、話すためにこの本と格闘している方を多く知っています。また、以前この本と取り組んだ結果、英検1級に合格された方も知っています。
このシリーズに一番必要な力は、「一冊を絶対に信じきれる」力だと思います。
ぜひ、多くの方が、挫折することなく、このシリーズ本をやり抜けるといいと思います。
必ずものになる話すための英文法シリーズ全紹介!
「必ずものになる話すための英文法」は、次の9冊あります。
必ずものになる話すための英文法 超入門編 上巻
必ずものになる話すための英文法 超入門編 下巻
必ずものになる話すための英文法 STEP1(入門編1)
① You have a designer coat.
(あなたは高級なコートをお持ちなんですね。)
② You have a roomy office.
(あなたは広々とした事務所をお持ちなんですね。)
③ You have a lake-view condo.
(あなたは湖が見える分譲マンションをお持ちなんですね。)
④ You have a German small car.
(あなたはドイツの小型車をお持ちなんですね。)
⑤ You have a nice scarf.
(あなたはすてきなマフラーをお持ちなんですね。)ー「必ずものになる話すための英文法Step1」のTRACK1より一部抜粋ー
必ずものになる話すための英文法 STEP2(入門編2)
① I’m an only son.
(私はひとり息子なんです。)
② I’m the baby in the family.
(私は末っ子なんです。)
③ I’m a self-made man.
(私は自力で成功した男なんです。)
④ I’m afraid of computers.
(私はコンピューター恐怖症なんです。)
⑤ I’m well-educated.
(私は教育レベルは高いです。)ー「必ずものになる話すための英文法Step2」のTRACK1より一部抜粋ー
必ずものになる話すための英文法 STEP3(初級編1)
① I believed in him 110%.
(私は彼が言うことを120%信じました。)
② I cosigned for my son’s home loan.
(私は息子の住宅ローンの保証人になりました。)
③ I trusted the heater all the way off.
(私は暖房を完全に消しました。)
④ I transferred $600 into his account.
(私は600ドルを彼の口座に振り込みました。)
⑤ She gained all the weight back.
(彼女は体重が完全にリバウンドしました。)ー「必ずものになる話すための英文法Step3」のTRACK1より一部抜粋ー
必ずものになる話すための英文法 STEP4(初級編2)
① Let’s eat something.
(何か食べましょう。)
② Let’s drink something.
(何か飲みましょう。)
③ Mom’s knitting something right now.
(お母さんは今何か編んでいます。)
④ Cris left something on the desk.
(クリスは机の上に何か忘れて行ったよ。)
⑤ She was cooking something with Linda.
(彼女はリンダと何か料理していました。)ー「必ずものになる話すための英文法Step4」のTRACK1より一部抜粋ー
必ずものになる話すための英文法 STEP5(中級編1)
① She has to be stingy.
(彼女はけちなんでしょう。)
② She has to be popular with guys.
(彼女は男性に人気があるんでしょう。)
③ She has to be at least thirty.
(彼女はどう見ても30歳以上でしょう。)
④ She has to be playing dumb about it.
(彼女はそのことをとぼけているんでしょう。)
⑤ She has to be booked up these days.
(彼女は最近、全然暇がないんでしょう。)ー「必ずものになる話すための英文法Step5」のTRACK1より一部抜粋ー
必ずものになる話すための英文法 STEP6(中級編2)
① Linda has a younger brother that used to be a DJ.
(リンダには以前、ラジオの音楽番組の司会者をしていた弟がいます。)
② I’m friends with a guy that owns a major medical supplier.
(私は大手の衣料品卸問屋を持っている人と友だちです。)
③ I have au uncle that works for a major shipping company.
(私には大手の輸送会社に勤めている叔父がいます。)
④ We need a lot of people that can work split shifts.
(うちは午前・午後の分割勤務で働ける人が大勢必要です。)
⑤ These days there are a lot of foreigners that have stakes in our company.
(最近うちの会社に出資している外国人が大勢います。)ー「必ずものになる話すための英文法Step6」のTRACK1より一部抜粋ー
必ずものになる話すための英文法 STEP7(上級編)
① Which[ What ]hours’re you open every day?
(何時から何時まで毎日開いているのですか。)
② Which[ What ]hours’re you the busiest?
(何時から何時まであなたはいちばん忙しいのですか。)
③ Which[ What ]hours’re you always out?
(何時から何時まであなたはいつも外出しているのですか。)
④ Which[ What ]months is Japan muggy?
(何月から何月まで日本は蒸し暑いのですか。)
⑤ Which[ What ]years were you in Turkey?
(何年から何年まであなたはトルコにいたのですか。)ー「必ずものになる話すための英文法Step7」のTRACK1より一部抜粋ー
「話すための英文法」シリーズを楽しく続ける工夫
スピーキング能力を伸ばすテキストとして「話すための英文法」シリーズは、本当に優れています。
ただし、一番のデメリットは、中学レベルの短文の音読を繰り返すという作業が、あまりに単調すぎる点です。
地道な努力を続けても、成長している実感が持ちにくいのです。悪い意味で、慣れが生じてしまいます。
そこで、慣れやダレを避けるために、オンライン英会話を併用する学習者が増えています。
空手でも型の練習をしているだけでは強くなりません。実際に人と戦うという実戦を通じて、型の有効性や自分に足りない点を発見することができます。
音読は優れた英会話習得のメソドッソですが、上達の手段であって、目的ではないはずです。
オンライン英会話スクールで「試合」をすることで、毎日の「練習」に意味を持たせるように工夫するといいでしょう。
英文法の理解を深めたい方がすべきこと
「話すための英文法」シリーズでトレーニング系を繰り返していると、単調さもあって、「理解を重視する英文法」が恋しくなるかもしれません。
理解を重視する英文法書としては、「Evergreen」なんかが有名です。ただ、問題演習などのドリル的な要素が少ないのが欠点です。
理解にこだわりつつもトレーニングを重視したい学習者は、鈴木拓氏の3部作がオススメです。
あまり手を広げるのも良くないですが、鈴木拓さんのメソッドは素晴らしいので、ぜひ、ノウハウをチェックしてみてください。
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中学レベルの英語で英会話の習得を目指す
・「ADVANCED BEGINNER」
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