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グロティウスの人生と業績をたどる|自然法と国際法の父の軌跡
近代の国際法の父と呼ばれるグロティウス(1583–1645)。 彼は「自然法」という思想を神学の枠組みから切り離し、人間理性によって普遍的な秩序を見出そうとした人物でした。 その思想は国際法の成立を準備し、戦争と平和のルールを考えるうえで決定的な役... -
デカルトの人生と業績をたどる|近代哲学の出発点としての意義
17世紀のヨーロッパにおいて、近代哲学の基盤を築いた人物として広く知られるのがルネ=デカルトです。 彼は「我思う、ゆえに我あり」という一句で代表される合理主義哲学を打ち立て、「近代哲学の父」と呼ばれます。 その業績は単に哲学にとどまらず、数... -
百科全書派とは?|ディドロとダランベールに見る啓蒙思想の集大成
18世紀フランスの啓蒙思想を代表する運動が「百科全書派」です。彼らは知識を体系的に整理し、人類の理性と進歩を信じて社会の変革を目指しました。 中心人物となったのは、編集者のディドロとダランベールです。 彼らの編纂した『百科全書(百科全書ある... -
【受験世界史】カント哲学の意義とは?啓蒙思想からドイツ観念論への架け橋
近代ヨーロッパ史において、啓蒙思想は「理性による人間解放」を目指した一大潮流でした。 その総決算ともいえるのが、18世紀ドイツの哲学者イマヌエル=カントです。 カントは『純粋理性批判』をはじめとする「批判哲学」を展開し、理性の可能性と限界を... -
【受験世界史】サラマンカ学派とは?自然法思想と近代国際法の源流を解説
ヨーロッパの思想史において、しばしば見落とされがちな存在が「サラマンカ学派」です。 16世紀のスペインにおいて、植民地支配や新大陸の発見に直面しながら、神学と法学を融合させて新しい秩序を模索した学派でした。 彼らの議論は、単なる神学論争にと... -
【受験世界史】大陸合理論を徹底解説|デカルト・スピノザ・ライプニッツと啓蒙思想への影響
17世紀から18世紀にかけてのヨーロッパ思想を理解する上で欠かせないのが「大陸合理論」です。 合理論は、イギリス経験論と並んで近代哲学の二大潮流を形成し、「知識の源泉は理性にある」と考える立場です。 数学的な演繹法を重視し、真理は人間理性によ... -
【受験世界史】イギリス経験論を徹底解説|ロック・バークリー・ヒュームと啓蒙思想への影響
17世紀から18世紀にかけてのイギリス哲学を代表する潮流が「経験論」です。 経験論とは、人間の知識の源泉を「生得観念ではなく経験に求める」立場であり、ロック・バークリー・ヒュームといった思想家によって展開されました。 その源流には、16世紀末か... -
【受験世界史】ヒュームの懐疑論を徹底解説|因果律・習慣説とカントへの影響
18世紀イギリスの哲学者デイヴィッド=ヒュームは、「経験論」を徹底させた結果、因果関係そのものに懐疑を向けました。 私たちは「火に触れれば熱い」「リンゴは必ず落ちる」と信じていますが、ヒュームにとってこれは自然界の必然法則ではなく、過去の経... -
騎士道精神と戦士階級とは?|中世ヨーロッパの封建社会を動かした価値観と役割
中世ヨーロッパの封建社会を語るうえで欠かせない存在が「騎士(knight)」と呼ばれる戦士階級です。 彼らは領主に仕える軍事的役割を担いながら、同時に「騎士道精神(chivalry)」と呼ばれる独自の価値観に従って行動しました。 騎士たちは戦争において... -
【世界史】宗教戦争から国際戦争へ|勢力均衡の形成と近代国際関係の始まり
ヨーロッパの歴史を振り返ると、戦争の目的や性格は大きく変化してきました。 16世紀から17世紀にかけての戦争は、宗教改革の影響を強く受け、カトリックとプロテスタントの対立が前面に押し出されました。 ところが、三十年戦争の後半以降、戦争は「宗派...