TOEIC対策の単語帳として最も有名な金のフレーズと、その後続の姉妹書金のセンテンスのどちらを使った方がいいのか迷っている学習者も多いと思います。
どちらもの書も、TEX加藤氏が独自の分析により、TOEICによく出る厳選した英単語を効果的に学べると人気の単語帳です。
TOEIC受験者ならほとんどの人が使っていると言われる累計100万部の実績の金のフレーズを使うべきか、著者TEX加藤氏の最新の単語帳金のセンテンスを使うべきでしょうか?
利用者の実績の多い古い方を選ぶべきか、最新の試験傾向を反映した最新の方を選ぶべきか悩ましいところです。
金のフレーズの基本情報
・単語数1000語
・例文が3~5語のフレーズ
金のフレーズの詳しいレビュー記事は、次の関連記事をご覧ください。
金のセンテンスの基本情報
金のフレーズと金のセンテンスの共通点
金のフレーズと金のセンテンスの共通の特徴を説明します。
対象レベル
金のフレーズ金のセンテンス
TOEIC600以上を目指す方
金フレ・金センともに、TOEIC受験生すべての人にお勧めしたい単語帳ですが、500点以上の語彙力があることを前提に作られています。
ですので、「自分で使えるか不安」と思われる方は、金フレなら「600点レベル 助走の400語」を書店でパラパラめくってみて、使えそうか判断するといいでしょう。
また、目標スコアが700点の方は、600点レベルと730点レベルをしっかり繰り返すなどメリハリの利いた取捨選択ができます。
<参考>
金フレの目標スコアは600~990ですが、以下の通りレベル別に作られています。
730点レベル 加速の300語
860点レベル 飛躍の200語
990点レベル 頂点の100語
※TOEIC500点レベルを目指す方は、姉妹本の「銀のフレーズ」をおすすめします。
掲載されている単語につてい
金のフレーズ金のセンテンス
TOEICによく出る単語を厳選
すべての公式教材に加え、80回以上の受験直後に書き留めた「TEXファイル」をデータベースを元に作られた単語集です。
数あるTOEIC講師でも、ここまでの“企業努力”をされているTEX加藤氏だからこそ、作り上げらることができた単語集なのです。
収録単語数は、発行日が最近な分だけ金のセンテンスは最新の出題傾向を反映した新しい単語が増えています。それは、掲載されている単語数にも反映されています。
金のフレーズ
金のフレーズ 1000単語
※ただし、Supplementという章の単語を加えると、あと400語は増えます
金のセンテンス
金のセンテンス 1500単語
形式
金のフレーズ金のセンテンス
金フレ・金センともに、見出し単語とその日本語訳、そして解説が基本になります。
見出し単語 + 解説
※章によって若干の違いあり
見出し語に対する解説では、類義語などの関連語やパートごとの出題のされ方などがコンパクトに説明されています。
見出し語に対する解説は、金フレと金センでやや異なります。
金のフレーズと金のセンテンスの相違点
金のフレーズと金のセンテンスの相違点を説明します。
発行日が違う
当然、2冊で発行日が違います。
金のフレーズ→金のセンテンス
この順番で発行されています。
金のフレーズ
金のフレーズ 2017年1月
金のセンテンス
金のセンテンス 2019年2月
金のセンテンスでは熟語も掲載
金フレーズではほとんど見られなかった英熟語が多く掲載されています。
例文の形式が違う
金のフレーズと金のセンテンスの一番の違いは例文の形式です。
・3~5語の短いフレーズ
金のセンテンス
・10~20語の完全な1文
※1500語を360の例文に凝縮
金のフレーズの例文
金のフレーズ
金のフレーズの例文は次の通りです。
・報告書に目を通す
☞ review a report・提案に目を通す
☞ review a proposal・計画を調整する
☞ make adjustments to the plan
金フレの例文は、このように短いセンテンスになります。
また、単語集には珍しい、「日本語→英語」の順番になっているのもポイントです。
そして、リスニング面では、だいたいが3語くらいの短いフレーズですので、一語一語がはっきり発音されるので、聞き取りやすいです。覚えるべき見出し語がどのように発音されるか理解しやすいです。
短いセンテンスで覚えるがゆえの、メリットとデメリットがあります。
・短いセンテンスなので、見出し語に集中できる
☞ 覚えやすい
・リスニングに慣れていない人でも、耳でキャッチしやすい
☞ 挫折しにくい
デメリット
・実際の試験ではセンテンスで出題されないので、実戦的でない
金のセンテンスの例文
金のセンテンス
金のセンテンスの例文は次の通りです。
Mr.Kumar has already finished reviewing our proposal has asked for some adjustments.
(Kumarさんは、我々の提案を既に検討し終え、いくつかの調整を求めてきた。)
金センの例文は、このように10~20語の完全な一文になります。
また、金のフレーズと反対に、「英語→日本語」の順番になっているのもポイントです。
・すべての見出し語がたった360の例文に凝縮されている
・360の短文を読むので、読解の力もつく
デメリット
・情報量が多いので、覚えるべき単語に集中できない
・英文解釈の基礎が不足していると、挫折しやすい
・リスニングに慣れていない人だと、単語を耳でキャッチできない
とっつきやすさは金のフレーズに軍配!
金のフレーズ
最初の単語帳の1冊としての取っつきやすさは金のフレーズに軍配が上がります。
・review a report
(報告書に目を通す)
上記の例文のように、金のフレーズは、3語くらいの短いセンテンスで覚えやすいです。
著者のTEX加藤氏も次のように書いています。
すべての見出し語を、人間の短期記憶の一つの限界ともされる7語以下の「TOEICフレーズ」にまとめてあります。
ー「金のフレーズ」 P6より引用ー
また、金のフレーズは、特に日本人学習者の多くが苦手にしているリスニング面でだいぶ聞き取りやすいです。
一方、金のセンテンスでは、10~20語くらいの長めのセンテンスなので、流れるように発音されるので、見出し語によっては、早かったり曖昧に発音されるので聞き取りが難しいことが多いと思います。(逆に言えば、実戦的というメリットになります)
金のセンテンスは学びが多い
金のセンテンス
金のフレーズの短いセンテンスは、リスニングの際に聞き取りしやすい一方、金のセンテンスだと以下の例文のように、長めの1文になります。
Mr.Kumar has already finished
reviewing our proposal has asked
for some adjustments.
(Kumarさんは、我々の提案を既に検討し終え、いくつかの調整を求めてきた。)
1度で耳にキャッチするのは難しいでしょう。3語ほどのフレーズでは強く出にくいリエゾンやディダクションが頻繁に起こりますので、人によっては見出し語を覚えるという本来の目的が疎かになるでしょう。
TOEIC初学者にハードルが高い反面、基礎のしっかりしている人は、見出し語以外にも次のような重要なポイントを同時に学べます。
・現在完了(alreadyの使い方)
・finish ~ingの使い方
・ask forの使い方
金のフレーズと金センテンスのどちらを使うべきか?
金のフレーズと金のセンテンスのどちらを使うべきか?
もし、2冊やるなら、次の順番です。
金のフレーズ ⇒ 金のセンテンス
しかし、1冊どちらかに絞って、集中して取り組みたい場合は、次の基準で選ぶといいでしょう。
金のセンテンスをおすすめの人
金のフレーズは、基本的には基礎力のある学習者向けです。
基礎学力があるか判断する場合は、次の2点のバランスに注意してください。
・リーディング
・リスニング
大学受験でしっかり勉強した方のほとんどは、リーディング面では基礎学力があると言っていいでしょう。金のフレーズに出てくる英単語のほとんどは簡単と感じるはずですし、TOEIC特有の単語を押さえるくらいで十分です。
しかし、リスニング面では絶望的に聞き取れない方が多いので、その場合は、金のフレーズを選択した方が無難です。
金のフレーズをおすすめの人
金のフレーズは、基礎学力に不安のある人にお勧めです。
背伸びをして、自分に合わない単語集を選ぶと挫折する可能性が高まるので注意が必要です。
・英文解釈の力はあっても、リスニングに不慣れの人
(まとめ)英語の基礎に自信がある人は金のセンテンスがおすすめ
金のフレーズと金のセンテンスの違いなどを述べてきましたが、基礎学力のある人は、金のセンテンスが実戦的なのでお勧めです。
金のセンテンスは、1500語をわずか360の例文に凝縮したというのが特徴です。ですので、凝縮された知識を自分で吸収できる基礎学力がある方は、ぜひ金のセンテンスを選んでください。
そもそも、基礎学力のある人なら、金のフレーズはわりと短期間でマスターできるかもしれませんので、2冊とも攻略するという選択肢もあります。
しかし、TOEICで900点以上の高得点を取っている方でも、金のフレーズ1冊だけを何回も繰り返したという話もよく聞きますので、手を広げすぎないという選択肢もあるかもしれません。
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