大学受験に役立つおすすめの英語構文、英文解釈の参考書を5段階のレベル別に紹介します。
英語の文章は、「語順」や「型」が決まっていて、その語順や型によって意味が決まります。中学レベルの英文であれば、単語や熟語が分かれば、意味がだいたい分かったという人でも、高校レベルになると、英文の構造をしっかり理解しないと、「単語かんたん、熟語かんたん、意味わからない」ということが頻発します。
構文を学ぶ意味
構文で有名なのは、【There is 構文】があり、中学でも習うのでも、最もなじみの深い基本的な構文の一つと言えます。
しかし、この文章を訳せるでしょうか?
There is more to life than just studying.
この文章を訳せるでしょうか?
There is more to A than B「AにはB以上のものがある」という意味になります。ですので、「人生にはただ勉強するだけの以上のものがある」という意味になります。
単語自体はどれも簡単ですが、自信を持って訳せなかった方も多いと思います。文章の構造を見抜ければ、一発で解答できますが、そうでなければ??と時間を浪費することになるでしょう。
英語構文と英文解釈の違い
英語構文と英文解釈でどう違うのでしょうか?
私なりの考えでは、英語構文の知識を使って、正しく和訳するのが英文解釈です。
見方を変えると、英語構文は手段で、英文解釈は目的とも言えます。ですので、英語構文の参考書で英文解釈を学べますし、英文解釈の参考書で英語構文を学べます。
ただ、一般的に言えば、
難易度 英語構文の参考書 < 英解解釈の参考書
となると言えます。(絶対にそうだという訳ではありません)
英語構文を謳う参考書には、英語構文のパターンを網羅的に解説して、問題演習をするタイプが多いです。あくまでパターンの習得が目的ですので、難易度が高く、複雑な英文は少ない傾向になります。
また、英文解釈を謳う参考書は、複数の英語構文を含んだ、複雑な構造を見抜く訓練をするタイプのもが多いです。
はじめの1冊におすすめ!構文の参考書(高1・2生向け)
中学英語と高校英語のギャップを独学で埋めるのは、かなり大変です。しかし、中学英語レベルの学習者でも、次の参考書を使えば、高校生レベルの構文力が身につくはずです。
リンケージ英語構文100
中学英語から高校英語への橋渡しとして、最適の1冊!
「リンケージ英語構文100」1冊をしっかりと取り組めば、大学入試の長文を読むのに必要な構文力が身につきます。また、演習に取り組んでいるうちに、exhaust,contain,burdenのような 高校レベルの英単語も自然と身につきますので一石二鳥です。
その名の通り、100の構文パターンを学習しますが、見開き2ページで左が解説、右が演習となっています。解説を読んで満足するのでなく、演習問題を解いて知識の定着をしっかりはかりましょう。情報量としてはかなりありますので、新高校1年生であれば、生半可な気持ちで取り組むと挫折すると思います。しかし、この1冊をやり切れば、大学受験の基礎はしっかりと身につくでしょう。また、英語をしっかり勉強してこなかった高校3年生が弱点克服のために使うのもいいでしょう。
ちなみに、以下のようなレベルの構文を学習します。
IT is C(明白・可能性)that ..
It is clear that Tom is younger than Bob, But it is possible that he will win the race.(トムはボブより若いのは明らかだが、彼がそのレースに勝つ可能性はある)
類書に「英語の構文150」も人気がありますが、個人的には、リンケージの方が学習しやすと思います。
英語の構文150
大学入試肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本
スタディサプリ講師の肘井学先生の神授業を再現した1冊!
文中のS、V、O、C、Mそれぞれの要素がどの部分に当たるかを、「英文図解」を用いて丁寧に解説されています。
文の要素を見抜く力は、英文読解に必須な知識ですので、早い段階から取り組むことをおすすめします。
MARCHレベルの英文解釈のおすすめ参考書
MARCHレベルの英文を読めるようになるには、前出の「リンケージ英語構文100」よりも1STEP上のレベルの構文を学ぶ必要があります。
入門英文解釈の技術70
大学入試レベルはこれ1冊で十分!
非常にいい参考書ですが、書名に騙されないでください。【入門】と銘打っていますが、文法用語が多かったり初学者には取り組みにくいかもしれません。
もし、あなたが高校1年生であれば、
「リンケージ英語構文100」→「入門 英文解釈の技術70」
という流れで取り組むといいかもしれません。
これ1冊をしっかり学習すれば、MARCH・早稲田(基礎)レベルまで達すること可能です。もちろん、この上のレベルの構文の参考書もありますが、上級項目をやり出せばきりがありません。
このレベルまで攻略すれば、あとは、赤本などで志望校の長文問題など実践的な学習に移った方が、得点力が上がると思います。(これは、文法や単語・熟語に言えることです!)
難易度の高い単語集、難解な英文解釈のテキスト、上級の文法問題集を取り組んでいるのに、試験で得点を取れないという受験生をよく見てきました。大学受験のゴールはあくまで、入試で必要な得点(7割程度)を取ることです。得点力の低い英語オタクほど残念なものはありません。
ただし、早慶上智といった難関私大を目指す方は、さらに上のレベルの参考書を次に紹介します。
早慶上智レベルの英文解釈のおすすめ参考書
早慶上智レベルを目指す受験生に多く使われている参考書をご紹介します。
前述の「入門 英文解釈の技術70」と同じシリーズの上位版の2冊です。
かなり問題数もあり、重複している部分もあるので、どちらか1冊だけでも十分です。
基礎 英文解釈の技術100
早慶を目指す受験生だと、「入門 英文解釈の技術70」だと不安に感じる人も多いでしょう。
「基礎 英文解釈の技術100」で、より難易度の高い英文にチャレンジするのもいいでしょう。
英文解釈の技術100
旧帝大レベルの英文解釈のおすすめ参考書
京大や阪大のような難解な和訳が出題される大学を目指す方におすすめの参考書を紹介します。もちろん、早慶上智を目指して、英語を得点源にしたい受験生にもおすすめです。
ただし、基礎力が十分でない受験生が背伸びして勉強をすると、挫折すること間違いないので、自分に必要なのかをしっかり見極める必要があります。
このレベルで扱われる英文例!
このレベルの参考書だと、基本的な構文パターンは覚えていることが前提で、それらの構文パターンをどうか艶用しているかをテーマにしています。
以下の例文を訳してみてください。
Morden zoos provide us with the oppotunities
to observe in the flesh animals that we could
not possibly hope to view in the wild.
ポレポレ英文読解プロセス50
代ゼミ講師・西きょうじ先生の名著!
かなり難易度の高い英文を取り扱っています。英文の構造を複雑にする倒置や挿入句などがふんだんに取り込まれたハイレベルな英文を丁寧に解説してくれます。
ただ、説明の分かりやすさは、次述の「英文読解の透視図」の方がいいと思います。
「英文読解の透視図」 → 「ポレポレ英文読解プロセス50」
この順で学習を進める受験生が多いです。
英文読解の透視図
ポレポレと双璧をなす難易度の高い英文解釈の名著!
ポレポレと比較されることの多い「英文解釈の透視図」ですが、文法事項などがポレポレより段階を踏んで説明されているので分かりやすいとの声もあります。その一方で、ポレポレは、あの薄さで解説に一切の無駄がないと感じられる学習者もいます。
大学入試英文解釈クラシック
伊藤和夫著『英文解釈教室』の系統を受け継ぐ名著
最難関レベルの英文解釈の参考書としてはポレポレと英文解釈の透視図の独壇場でしたが、英文解釈クラッシックは、それら2冊を凌ぐ名著になる可能性があると注目されている1冊です。
出版年も2020年と新しいので、最新の入試情報を元に作成されているのも強みになるでしょう。また、近年は、英語学習に音読を取り入れる学習者が増えているので、音声面があるのも、大きなメリットです。
<ポレポレ、英文解釈の透視図、英文解釈クラシックの比較>
書籍名 | 出版年 | 音声 | ページ数 | 価格 |
---|---|---|---|---|
ポレポレ | 1993年 | × | 129ページ | 833円 |
英文解釈の透視図 | 1994年 | × | 236ページ | 1,540円 |
英文解釈クラシック | 2020年 | 〇 | 209ページ | 1,650円 |
英文読解の原則125
竹岡先生の力作!
ポレポレや英文読解の透視図と比べると難易度は劣りますが、それでも、前述の「入門英文解釈の技術70」などに比べると、複雑な構造をした英文を多様な切り口から解説しています。
解説はそこまで詳しくないので、ある程度、基礎学力がある受験生にお勧めです。
まとめ
個人的には、
「リンケージ英語構文100」→「入門英文解釈の技術70」
この2冊をしっかりとこなせば、たいていの大学入試の長文読解に困らない力がつくと考えています。
もちろん、それ以上のレベルの参考書に挑戦するのでもいいし、赤本で志望校の過去問をやり尽くすのもいいでしょう。
それこそ30、40年くらい前の昔の大学入試では、難解な英文をしっかり和訳する問題も多かったのですが、「入門英文解釈の技術70」レベルの構造の英文を、短時間に素早く、膨大に処理する能力が問われる傾向にあります。もちろん、京都大学の和訳のように、昔ながらの難解な英文の和訳を課する大学も存在しますが、限られた知識で、点数をもぎ取るセンスを過去問で身につけるのが大切かなと考えています。
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