英検3級に合格する勉強法について参考書選びをメインに紹介します。
英検3級のレベルの目安は、「中学卒業程度」で、「身近な英語を理解し、使用できること」が求められています。
英検4級・5級との大きな違いは、英検3級から「英作文問題」と「面接」が始めることです。
英検3級は、中学生で受験するお子さんが多いと思います。英検4級・5級と比べると、ちょっと難易度が上がります。
大学受験でしっかり英語を勉強された親御さんですと、お子さんが英検3級を受験をしようとすると、「簡単でしょ」と思いがちですが、語彙の数が一気に増えた印象を受けるはずです。(恥ずかしながら私も中学1年生での第2回の英検3級を不合格になった記憶があります。)
参考までに、以下の表は、『でる順パス単』という英検対策の単熟語集の級ごとの収録語数などをまとめたものです。
英検級数 | レベル | 用例の収録 | 収録語数 |
英検5級 | 中学初級 | 殆どなし | 約600単熟語+定型表現 |
英検4級 | 中学中級 | 殆どなし | 約680単熟語+定型表現 |
英検3級 | 中学卒業 | 全てあり | 約1,300単熟語+会話表現 |
英検準2級 | 高校中級 | 全てあり | 約1,500単熟語+会話表現 |
英検2級 | 高校卒業 | 全てあり | 約1,700単熟語+会話表現 |
英検準1級 | 大学中級 | 全てあり(完全な文) | 約1,850単熟語 |
英検1級 | 大学上級 | 全てあり(完全な文) | 約2,400単熟語 |
英検4級の680単熟語から英検3級の1,300単熟語というように倍近く増えています。
ここまで増え幅は他の級ではありません。
この数字から英検3級が決して簡単ではないことが分かっていただけたと思います。
英検3級とはどんな試験?
英検3級がどんな試験形式なのか簡単に説明いたします。
●一次試験 筆記テスト(50分)とリスニングテスト(約25分)
●二次試験 面接(約5分)
・筆記テスト
マークシート方式30問と25~35語の英文を書く英作文問題が1問
・リスニングテクスト
マークシート方式30問
・面接
面接委員と向き合って行うスピーキングテストです。「問題カード」を渡され、文章を音読したり、イラストに描かれたものを説明したり、面接委員の質問5問に答えたりします。
当然に二次試験は、一次試験合格者のみ受験が可能です。
例年3回の受験機会があります。
2019年度を例にとると次の通りです。
第1回検定 | 第2回検定 | 第3回検定 | |
受付期間 | 3月15日 ~5月9日 |
8月1日 ~9月12日 |
11月22日 ~12月22日 |
一次試験 | 6月2日 | 10月6日 | 2020年 1月26日 |
二次試験 | 6月30日 | 11月3日 | 2020年 2月23日 |
※二次試験の日程はA日程のみ記載。B日程は、それぞれ1週間後です。
また、検定料は4,900円(税込)なります。
ちなみに、英検準2級では、2017年の第1回から大きな変更がありました。
・筆記試験の時間を10分延長(40分→50分)
ライティング(英作文)は英検準1級からだと多くの方が思っているでしょう。
しかし、2016年から英検2級にライティングテストが導入となり、2017年から英検準2級・3級にもライティングテストが導入されるようになりました。
近年、特に書く力の重要度が高まっています。
英語力が読解に偏りがちな日本人学習者には、かなりの負担かもしれません。しかし、これも国内外のグローバル化に備え、英語4技能が重要視されている時代の流れでしょう。
ライティングというと難しく思えるかもしれませんが、必要以上に恐れる必要はありません。
英検準2級以上のライティングは、それなりに論理的な文章を書く必要はありますが、英検3級はそこまで難しいことは問われません。
英検3級合格に必要な参考書(一次試験)
英検3級合格に必要な参考書を分野別に紹介します。
大手書店の英検の棚をのぞいても、旺文社の参考書や問題集であふれているのが分かると思います。
英検3級の出題傾向を知る参考書
英検3級を受験されるお子様は、塾で先取り学習している小学生や中学1年生も多いでしょう。
そういったお子様の中には、ほとんど対策をしなくても合格レベルにいる方も多いと思います。
しかし、英検3級の試験傾向を分析しないで、ぶっつけで受験をすると手痛いしっぺ返しを受けることも多いです。(特にリスニングとライティング)
英検の対策として、過去の問題を分析することはとても重要です。
どんなに実力があっても、この時期から試験を受けるときは、必ず試験傾向を分析するというクセをつけさせることが将来に役立つと思います。
過去の入試傾向が一定ですので、どんな問題が出るか知って受験するのとそうでないのとでは、得点結果に大きな差が出るはずです。例年、英語の実力がある方に限って、過去の対策を怠って手痛い失敗をしがちです。
そうならないようにも、過去問集は必須になります。
かなりのボリュームになりますが、過去6回の全問題と詳しい解説で人気の1冊です。
ただの過去の問題の寄せ集めだけではなく、すべての問題の解答と訳、そして詳しい解説が別冊にあります。
できれば、過去6回分をすべてやり切るといいでしょう。
過去問集は自分の実力をはかるためにと直前期まで温存しようとする人も多いですが、あくまで自分が試験勉強を進めていくための指針とすべき参考書です。直前期に自分の弱点が見つかっても遅いですよね。
それでも、過去問集は荷が重いという学習者もいるでしょう。
そんな方にオススメなのが次の1冊です。
内容紹介1日30分でできる!
2週間かけて英検3級の一次試験突破を目指す問題集です。●2017年度英検リニューアルに完全対応!
●1日に取り組む範囲がきっちり決まっているので、試験日までの学習計画が立てやすい!
●最終日の模擬テストをのぞき、1日の学習に必要な時間は30分程度。忙しくても学習時間を確保しやすい!
●問題形式ごとに解答のポイントをおさえ、英検と同じ形式の練習問題を解くから、テストの得点に直結!
●旺文社は英検書書店売上No.1!
英検3級集中ゼミとはどんな参考書?
集中ゼミは、2週間で英検3級の一次試験突破を目指す問題集です。しかも、1日に必要な学習時間は30分とコンパクトな1冊です。
問題形式ごとに解き方のポイントを解説するページと、そこで学んだことを実践する練習問題のページで構成されています。
問題文(英文)の和訳もついていて、詳しい解説とともに関連する知識も紹介されています。
いきなり過去問集に取り組むのに荷が重いという学習者にオススメです。
コンパクトなわりに1冊終えた時の知識量もかなりあります。
英検3級の試験傾向を把握でき、なおかつ英語力養成にもつながるという費用対効果の高い1冊です。
英検3級集中ゼミの活用方法
十分に基礎力のある方は、この1冊で英検3級に合格することも可能でしょう。
そういった方は、英検3級集中ゼミを繰り返し学習するのではなく、1度終えたら、苦手分野の補強に移るのがいいでしょう。
一方、英検3級レベルにまだまだ達していない方は、このテキストを2周、3周と繰り返し、知識を定着させるといいでしょう。それと並行して、後述の単語集で英検合格に必須の語彙力UPを目指しましょう。
英検3級の英単熟語集
英検対策として、語彙力の重視は共通です。
英検3級・4級と同じようなくくりで語られがちな両級ですが、英検3級では語彙の数が一気に増えます。
また、英作文問題や面接もありますので、誤魔化しの勉強だけでは合格できません。
英検3級レベルに達していないお子様は、単熟語集をしっかりと取り組んで合格レベルまで引き上げましょう。
英検3級 文単
でる順パス単とは、どんな単熟語集?
本書の特長は次の通りです。
1.「でる順」で効果的に覚えられる!
2.すべての見出し語に例文付!
3.無料アプリ「英語の友」で単語学習をサポート!英検過去問の分析に基づき、よく出題される語を「でる順」に掲載しています。
また、すべての見出し語に用例が付いているので効果的に暗記することができます。
文単(文で覚える英単熟語)とは、どんな単熟語集?
英検3級 文で覚える単熟語』がリニューアルされました!
三訂版の特長は以下のとおりです。
・英文を読みながら、文脈の中で単熟語を覚えられる!
・「長文⇒見出し語⇒語義」を収録したCD2枚付き!
・覚えたかどうかチェックできる「確認テスト」付き!単熟語をじっくりと「文で覚える」ことによって、語彙力と読解力を同時に身につけられる単熟語集です。また、付属CDを使って学習すればリスニング力の強化にもつながります。
長文で覚える
※似ている学参→速読英単語
②でる順パス単 英検3級
短文で覚える
※似ている学参→ターゲット1900
個人的には、英単語は長文の中から自然に覚えるタイプが好きです。長文を繰り返し音読することで体に染み込む感覚になるまで繰り返すとかなり力がつくはずです。
また、単語や熟語を覚えながら、リーディング対策にもなりますので、一石二鳥という意味では、文単がいいと思います。文単の英文を何度も聞くことによってリスニング対策になります。また、意外かもしれませんが、文単に出ている分量の英文を繰り返し何度も音読することで、リスニングにも効果を感じる人も多いようです。
ただ、短文の方が効率良く覚えられるという人もいるでしょう。
そこは個人の好みがあると思いますので、各自のお好みに任せてお選びください。
もちろん、大学受験しっかりと単語を覚えた方は、そこまでしっかりと取り組む必要はありません。購入の必要もないかもしれませんが、穴になっている単語や熟語がないか念のため確認するといいでしょう。
英検3級のリスニング
英検3級に合格するためには、リスニングの学習は必須です。
ただし、リエゾンとかの本格的なリスニング学習は必要ないと思います。
ふつうの読む力があって、過去問集や集中ゼミなどで過去の問題を繰り返せば、聴くポイントが分かるはずです。ほとんどの受験生は、リスニング音声をすべて正しく聞き取れることはないでしょう。
聞き取れないところがあるなりに、どこに注意をして聞けばいいのかコツをつかめば十分です。
もちろん、単語帳の付属の音声で発音をチェックする習慣を今のうちから身につけておけば素晴らしいことです。
分からないなり、聞き取れないなりに解答を当てる精度を高める訓練をしましょう。
英検3級のライティング
英検3級でライティング?
準1級からじゃないの?
そう思われる方も多いと思います。
実は、2016年度第1回から英検がリニューアルしました。全級の4技能化に受けた問題形式の大幅な変更とともに英検2級にもライティングが課されることになりました。そして2017年度からは、英検準2級・3級にもライティングテストが導入されるようになりました。
英作文を苦手とする学習者は多いはずですので、英検での英作文は受験生のかなりの負担になるはずです。しかし、英検3級では、まだそれほどむつかしいことは問われないので、過去の問題に目を通しておけば十分だと思います。
将来のことを考えれば、英作文をしっかり取り組むことが大切なことなのですが、そこまで十分に手が回る方は少ないと思います。
もちろん、やる気と時間があって、しっかり英作文に取り組みたいという方は、少しレベルが高いですが、次の1冊がオススメです。
著者の植田一三氏の参考書は、どれも該当の級のレベルに比べて難易度が高いものが多いですが、しっかりと取り組めばかなりの力がつきます。しかし、最低でも過去問集や集中ゼミなど終わってゆとりがある方にだけオススメします。
英検3級のリーディング
英検3級のリーディングに関しては、まずは読解力うんぬんの前に語彙力が重要になります。
前述の文単などの単熟語集をしっかりとマスターしましょう。
何度も繰り返し音読して、かえり読みしない習慣を今うちから身につけるといいでしょう。
文中の単語や熟語をほぼ知ってても、長文読解に慣れていないと、必要以上に読み取りに時間がかったり正しく読み取れなかったりします。
英検3級合格に必要な参考書(二次試験)
英検3級の二次試験合格に必要な参考書をご紹介します。
英検3級の二次試験と言えば、面接つまりスピーキングテストです。
日本人の多くは、スピーキングテストというと尻込みしてしまい、一次試験に合格しても、ビビッて受験を回避される方までいます。しかし、必要以上に恐れる必要はありません。
一次試験に合格する実力があるのなら、しっかりと対策をすれば二次合格の可能性は多いにあります。
とはいえ、多くの受験生は、一次試験の勉強で手一杯のはずですから、一次試験終了時までに十分な面接対策を取れている方は少ないと思います。
しかし、一次試験終了から二次試験まではたいてい1ヶ月近くあります。
よく英検3級の面接対策にオンライン英会話を勧める方もいます。もちろん、英会話上達のためには取り組んだ方がいい学習法です。
しかし、この記事では、限られた時間の中でどう効率的に英検3級合格を目指すかに焦点をあてています。
次の1冊をしっかり取り組めば十分に面接クリアできるはずです。
『英検3級二次試験・面接完全予想問題』は、以下の商品説明を読んでいただければ分かるように、かなり至れり尽くせりの内容です。
面接DVDで、リアルな試験対策ができる! 英検二次試験・面接対策書の決定版!
■本書の特長
・二次試験・面接を分析し、本番そっくりの練習問題を7セット収録。
・フルカラーの見やすい紙面。
・巻頭の問題カードと付属CDを合わせて利用すれば、本番に備えて実戦的な練習ができる。
・付属DVDで試験の様子を確認、実際に答えてみる練習までできる。
・「面接Q&A」「合格者の声」など、受験情報も充実。
ここまでやらないでも合格は可能だと思いますが、万全を尽くしたい方は、取り組んでみるといいでしょう。
まとめ 英検3級合格のために
英検3級合格を目指す方のために必要な参考と、その取り組む姿勢を中心に述べました。
英検3級は、英検4級から比べると語彙の数がかなり増えますが、挫けずに英検3級合格を目指して頑張ってください。
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