中学レベルの超基礎から英語をやり直したい人向けの記事です。
社会人など大人が英語を基礎からやり直すためにはどうすればいいのでしょうか?
方法論に迷う学習者も多いでしょう。
出発点は基礎の基礎ですが、英語を話せるレベルまでをゴールとした学習法を紹介します。
志高い目標を達成するために次の3つの段階を進みます。
英文を作る理屈の部分を学びます。インプットに当たる部分です。
②トレーニング
理屈だけを聞いて、スラスラと知識を習得できる人はわずかでしょう。しつこいトレーニングで知識の定着に努めます。
③知識の活用
トレーニングはあくまで知識の定着のためです。第3段階では、知識を活用してアウトプットを目指します。日本人が苦手にするに英語での発信がゴールです。
この3段階を最短で駆け抜けることで、英語を話すことも目指せます。
英語が苦手な自分にそこまでのレベルに達することができるのか?
そう思われるかもしれませんが、大学生を含めて多くの日本人が第2段階(トレーニング)までしか達していません。
英語を得意にしている人は、この段階で、むつかしい単語や構文を覚えることに満足してしまい、基礎知識を活用して会話をしたり書くことを目指しません。
英語博士になりたいのか、重箱の隅をついたような英語知識の習得に躍起になってしまうのです。学者になりたいのならそれでも構いませんが、それではいつまでたってもコミュニケーションをとることはできません。
英語が苦手な方こそ、英語でコミュニケーションをとることを目指した勉強法にシフトを変えることで、一発逆転を狙えます。
さて、英語の基礎がまったくない人は何をすればいいでしょうか?
まさにABCからやり直したい人向けにオススメの参考書として『ひとつひとつわかりやすく』シリーズを紹介します。
中学生用の参考書で基礎がしっかり学べると定評があります。中1・中2・中3の3冊あります。
第1段階 やり直し英語の基礎文法を学べる参考書
まずは、やり直し英語の基礎文法を学ぶ参考書を紹介します。
中学英語の英文法は話したり書いたりするときの土台となるところです。
ただし、基礎文法を学ぶ必要のある方には、次の2パターンがあると思います。
(イ)ABC、be動詞レベルから分からない
(ロ)忘れていた中学英語を思い出したい
前者と後者では学習のスピード感が大きく違ってきます。
(イ)にあたる学習者の方は、詳しい解説が必要になりますが、(ロ)にあたる学習者の方は詳しい解説は逆に邪魔になる場合もあるでしょう。
まずは、ABC、be動詞レベルから分からない学習者にオススメの1冊から紹介します。
中2英語
中3英語
この参考書のいいところ
・中学英語をミニマムの内容で一気に学習できるので挫折しにくい
・全レッスンでバイリンガルの人気講師による無料解説動画がある
・解説(左ページ)+書き込み式の練習問題(右ページ)の2ページにまとめてあるので使いやすい
この参考書の悪い点
・中学英語を思い出したい人には簡単すぎる
・練習問題があるが、問題数が少なくトレーニングに不向き
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この3冊で中学英語を一気に学習できます。大人が一念発起して英語をやりお直ししようとしたときの一番の敵は、むつかしいものに取り組んで挫折することです。
簡単すぎると思えるほどの内容のものを短時間でやり遂げることで自信にもつながります。
とは言え、本当にABCレベルから始める方にとっては、覚えることが多いでしょう。ですが、すべてのレッスンに解説動画がYouTubeにアップされているので、格安で塾の授業を受けられる環境が手に入ります。
YouTubeで見られるので、スマホでも視聴可能です。
ゼロから英語の基礎を固めるなら、この参考書を強くオススメします。
さて、次の3冊は、本当に英語初心者にオススメなのですが忘れていた中学英語を思い出したいという学習者には無駄な部分が多くなるかと思います。
そんな学習者にオススメなのが次の1冊です。
中学英語をやり直したい社会人や、英語の基礎に不安がある高校生にオススメなのが、『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』です。前述の『中1英語をひとつひとつわかりやすく』などと同じシリーズです。
中学3年分の内容を1冊で一気に学習できるので、使い勝手がいいです。
中学生向け参考書3冊の内容をコンパクトサイズの1冊に集約したものですが、高校生や大人のために練習問題を増やしています。
こちらも解説動画が無料で見られます。
本の作りも見やすく、何より内容が分かりやすいです。飽きっぽい方でも、最後までやり切れるのではないかと思います。
第2段階 やり直し英語のトレーニングできる参考書
第1段階では、やり直し英語の基礎文法を学びました。
基礎文法をさっと習ってすぐに習得できる方はごくわずかだと思います。
多くの方は、同じ英文や単語を紙に書いたりトレーニングを通じて身につくはずです。
『ひとつひとつわかりやすく』シリーズでも、解説だけでなく練習問題もありますが、本当に最低限の確認問題でトレーニングと言える量ではありません。
英語を繰り返し書いたり、音読したりするトレーニングとしてオススメの参考書を2種類紹介します。
中学レベルの英語は最低限ここまではトレーニングしたい!
この参考書のいいところ
・『ひとつひとつわかりやすく』シリーズより問題量が多くレベルが高い
・「基本問題」→「標準問題」→「実戦問題」のレベル別3段階構成で,無理なく実力がつく
この参考書の悪い点
・あくまで中学生向けの参考書なので、無駄な部分もある
・3冊こなすと分量が多い
コメント
『完全攻略』シリーズの位置づけとしては、問題をこなして知識を定着させるトレーニングになります。
『ひとつひとつわかりやすく』シリーズだけでは、問題の分量も少なく、語彙や文法項目などの知識量が少ないのを補足できます。
中学レベルの英語は、最低でもこのレベルまで引き上げないと使い物になりません。逆言えば、ここまでやれば、中学レベルの英語はそこそこ身についていると言えます。
次の中学レベルの英語のトレーニングはここまでやれば完璧という1冊を紹介します。
中学レベルの英語はここまでやれば完璧!
この参考書のいいところ
・中学で習う英文法すべてが、基礎から応用まで学習できる
・豊富な例文がトレーニングに最適
この参考書の悪いところ
・本当の基礎ができていない人には難しい
・ドリル形式でない
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大人が中学英語をやり直すのに本当に素晴らしい1冊です。
Amazonのレビューを読んでいただいても分かりますが、大人のやり直し英語によく使われています。また、評価も上々です。
「”表現力”と”読解力”をつけるための文法」という観点で構成されているので、英語の表現力がしっかり身につくはずです。
ただ、ドリル形式ではないので、この参考書の例文を何度も書いたり音読するなどのトレーニングをする工夫を自分でする必要があります。
この1冊をマスターできれば、中学レベルの英語はまったく問題ありません。
第3段階 中学英語の知識の活用できる参考書
第2段階までは、知識の習得がメインでした。
ここまでだと受験英語と同じです。読めるかもしれないけど、話したり書いたりといったアプトプットには役立ちません。(ただし、第2段階までの学習が意味がないという意味ではありません。)
第3段階では、中学英語を実際に活用するための訓練になります。
無味乾燥になりがちな第2段階までの学習と違って、楽しいと感じられることも多くなると思います。
さて、第3段階での学習のメインとなるのは、音読です。
同じ文章を声に出して何度も読むことで、身体に英語を沁み込ませるようにします。
英会話・ぜったい音読 標準編
「同時通訳の神様」として知られた国弘正雄先生によると、使える英語を身につけるには、体内に英語の基礎回路を作ることが大切であり、そのためには音読学習法が有効だとのことです。
ただ音読すると言っても、1つの英文を1、2回といった回数でなく、何十回と読まなくても英語の基礎回路は作れません。
私も一つの文章を100回以上音読したこともあります。
これらの参考書で取りあがられている英文のレベルは次の通りです。
『英会話・ぜったい音読 入門編』・・・中学1・2年の英語教科書から
『英会話・ぜったい音読 標準編』・・・中3の英語教科書から
中学レベルの英語は応用がききますので、これらを徹底的に音読するとかなりの力がつきます。
大学受験などで受験生が難解な単語や文法に悪戦苦闘して、いつまでも英語を話したり書いたりできないのを尻目に、中学レベルの英文を何度も音読して英会話を習得できるというのは痛快だと思います。
市販されている音読のテキストには、短文を素材にしたものと、10行以上のまとまった文章を素材にしたものがありますが、『ぜったい音読』シリーズは後者に当たります。
どちらが良いかは、一概には言えません。しかし、個人的には、まとまった文章を素材にした方が将来的に応用範囲が広いと思います。
音読のしはじめは、どれだけ教材を絞れるかがカギになります。
何度も同じ文章を音読すると飽きがくるので、1つの素材での音読の回数を減らして、いろいろな教材に手をつける学習者が多いですが、音読の目的からして教材を絞る勇気が必要です。
まとめ
第3段階までしっかりと学習をすれば、中学レベルの英語がやっとの学習者でも簡単な会話ならできるレベルに達します。
ただし、第1段階から第3段階までみっちり学習をしようと思ったら、1年はかかるでしょう。
日本人が日本にいながら、英会話の基礎を身につけようとしたら、そのくらいの時間は覚悟してください。
それでも、それで得られる効果は計り知れないものになります。
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