この記事では、英検2級のライティング対策におすすめの参考書をご紹介します。英検では、2級に限らずライティングの配点が高く、しっかりとした対策が必要とされます。
具体的な英検2級の対策には、YouTubeなどでも紹介されていますが、メインとなるライティング対策の参考書は1冊持っておいた方がいいです。(対策動画は以下のものがオススメです。)
日本では、まだまだリーディング偏向の教育をしている学校がほとんどですので、ライティング(英作文)を苦手にする人がほとんどでしょう。
しかも、個人のライティング能力は、「これまでに、どれだけ丁寧に英語に向き合ってきたか」ということに左右されますので、ちょっとした対策で、すぐに理想的な英文が書けるようになるわけではありません。
では、英検2級のライティングで高得点を取るのは難しいのでしょうか?
いえ。英検2級にライティングテスト導入された当時は、かなり混乱した受験生も多かったと思いますが、過去の問題も蓄積されてきて、有効な対策を取ることが可能になってきました。
英検のライティングの出題傾向は、以下の【英検2級のライティングの出題傾向】で説明する通り、非常に安定していて、出題されるテーマも予想しやすいです。ですので、ライティングという広大なテーマのうち、ごく限られた部分だけ備えればいいのです。そのため対策をしっかりすれば、ライティングやリスニングより短期間で大きく点数は伸ばすことが可能です。
なぜなら、英検2級のライティングで使う語彙は、基本的には、中学レベルの英語で十分です。すでに知っている語彙(単語・熟語)や文法を使えば書き上げることができます。
まずは、しっかり敵(出題傾向)をしっかり知ることが大切です。
敵を知り、己を知れば、百戦して殆(あや)うからず
まずは、英検2級のライティングの出題傾向から説明します。
英検2級ライティングの出題傾向
英検2級ライティングの出題傾向は、例年同じ形式になります。
レストランやスーパーマーケットでは、廃棄する食べ物の量を減らす努力をすべきだとしばしば言われます。あなたのはこの意見に賛成ですか?
※実際の試験問題は英文になります。その英文を日本文に訳したものになります。
●語数の目安は80語~100語です。
その他、次のようなテーマで出題されています。
・アパートは犬や猫などのペットをもっと許可するべきだと言う人もいます。あなたはこの意見に賛成ですか?
・若者は、自分の将来のキャリアについてもっと時間を使って考えるべきだと言う人もいます。あなたはこの意見に賛成ですか?
・地元で生産された食べ物を買うことを好む人がいます。あなたは、将来もっと多くの人が地元で作られたものを買うようになると思いますか?
英検2級におけるライティングの重要性
以下の表をご覧になっていただければ分かるように、英検のライティングは、たったの1問の出題に関わらず。配点が1次試験の1/3とかなりのウェイトを占めます。
技能 | 出題形式 | 満点スコア |
Reading(読む) | 大問1 短文の語句空所補充 | 650点 |
大問2 長文の語句空所補充 | ||
大問3 長文の内容一致選択 | ||
Writing(書く) | 英作文 | 650点 |
Listening(聞く) | 第1部 会話の内容一致選択 | 650点 |
第2部 文の内容一致選択 | ||
Speaking(話す) | 二次試験(面接) | 650点 |
ライティングに苦手意識を持つ学習者が多いことから、このライティング重視の配点をピンチと感じるかもしれません。
しかし、ピンチはチャンスです。
苦手意識を持つ受験生が多いからこそ、しっかりした対策を取ることで、他のライバルたちに差をつけることができます。
リーディングやリスニングがまだ仕上がっていない受験生でも、ライティングで効率的に得点することで、<下剋上>も可能になります
英検2級ライティング対策におすすめの3冊
英検のライティング対策は、目標とする級の対策問題集を覚えることが近道です。
よく出そうな表現をどんどん覚えていきます。
日本文を読んで英文でスラスラ書けるようになるまで繰り返すことが大切です。
おすすめ① 「英検2級ライティング大特訓」
エッセイ問題を得点源にしたい学習者におすすめ!
植田一三編著の「英検2級ライティング大特訓」(アスク出版)は、当サイトで最もおすすめの1冊です。迷ったらコレを選べば、間違いないです。
植田先生の書籍というと、レベルが高いものが多いので、敬遠する学習者もいるかもしれませんが、英検準2級レベルのライティング対策として非常にすぐれています。
どの英検対策問題集も、予想問題とその模範解答という構成はだいたい同じですが、「英検2級ライティング大特訓」は超重要コロケーションや基本動詞の使い方なども解説されています。また、付録の必須表現100や必須例文50も、英検2級で使える表現が集中して学べます。
また、予想問題の模範解答も、「4点の解答」「5点の解答」「満点解答」などがあり、“コレがどうして満点解答でないのか?”といった視点から読んでみるのもいいでしょう。
もちろん、この1冊を完璧に覚えるのは、まず不可能です。ですから、自分なりに過去問を分析して、使えそうな表現を優先的に覚えることをお勧めします。
おすすめ② 「英検2級ライティング問題」
必要最低限をサクッと学習したい人におすすめの1冊
クセのないオーソドックスな1冊です。淡々と、予想問題とその模範解答を中心に解説されています。
「英検2級ライティング大特訓」に比べると情報量は少ないのですが、それでも合格点を取るには十分な内容です。
おすすめ③ 「英検2級面接大特訓」
英検2級の面接対策の参考書もライティング対策に役立ちます。
特に教育・テクノロジー・環境・健康といった分野から、試験に出そうな表現を“つまみ食い”しましょう。
例えば、以下のような表現は、スピーキングだけなくライティングでも使いまわしが効くでしょう。
Doing physical exercise is a good way to relieve your stress.
(運動をすることはストレスを解消するためのよい方法です。)
Many children spend too much time playing online games.
(多くの子供たちは、オンラインゲームに多くの時間をかけ過ぎている。)
ライティング対策と英検の面接対策は、まったくの別物ではなく、重複する部分も多いです。1次試験合格後にあわてて面接対策をするのではなく、ゆとりを持って対策するといいでしょう。
英検2級ライティングの学習法
「英検2級ライティング大特訓」などの対策本をどう学習していくか悩む学習者も多いと思います。
英検2級ライティングの学習法として、5つの方法をご紹介します。どれも大切なことですので、自分なりにやり方にプラスアルファして取り入れてみてください。
① 構成を学ぶ
英検のライティングでは、決まった構成で書くようにしましょう。
英検2級のライティング問題では、次のように要求してきます。
●QUESTIONについて、あなたの意見とその理由を2つ英文で書きなさい。
ですので、それに対する解答も決まってきます。
(賛成か反対か いいか悪いか ~すべき)
・理由②
・結論
(これら2つの理由により、私は〇〇に賛成だ)
それぞれの参考書で使われる言葉は違うかもしれませんが、だいたい同じような構成で説明されています。
自分の意見 | → Introduction(導入) |
理由① | → Body(本文) |
理由② | |
結論 | → Conclusion(結論) |
もちろん、合否の分かれ目は、“理由①②”の部分がどれだけしっかり書けているかです。しかし、次のように構成を意識した書き方をしなかればなりません。
自分の意見 | I think that |
理由① | Firstly |
理由② | Secondly |
結論 | For these two reasons, I think that |
② まずは問題を自分の力で解いてみる
いきなり模範解答を何問か丸暗記するという学習法を取る学習者が多いですが、まずは問題を自分の力で解いてみましょう。
面倒だからとか、解ける自信がな1からという理由で、自身の手を動かして実際に解いてみるという作業を省く学習者が多いようです。
しかし、仮に全く歯が立たなかったとしても、自分の不得意な部分があぶり出されます。
・単数するにするか、複数にするか悩む
・冠詞をどうするか悩む
・簡単な単語が意外と書けない
模範解答の丸暗記も強力な勉強方法ですが、それだけでは気づかない自分の弱点を、実際に手を動かすことで、知ることができます。これは直前に気づいても遅いので、最初から取り組むべきことです。
<3単現のS>と言うと、「そんなの楽勝!」と甘く見る人が多いですが、ライティングやスピーキングに限っては、抜けてしまう人が多いです。
③ 模範解答を丸暗記する
自分の頭でひねり出した英文よりも、模範解答をそのまま書き写した方が、ミスもなく高得点になります。
特に英検のような限られた範囲のライティングとして、予想問題などの模範解答を丸暗記するのが実力UPの一番の近道です。
前述の「英検2級ライティング大特訓」(アスク出版)の模範解答をすべて丸暗記すれば、間違いなく高得点が狙えます。しかし、そこまで記憶力に自信がある人も少ないと思います。
そこで、2~3題覚えるだけでもかなり違ってきます。それも厳しい方は、最低1題は丸暗記をしましょう。
たった1題でも、10回くらい自分で用紙に書く練習をすれば、80語~100語という語数のボリューム感がつかめるはずです。この感覚というのは、実際の本番で大きな力になるはずです。
④ フレーズ単位役立つ表現を覚える
模範解答を丸暗記することは理想のライティング学習法ですが、実際に実行できる方は限られていると思いますし、試験まで時間がなく、そこまで手が回らないという学習者も多いでしょう。
模範解答の丸暗記は難しくても、レーズ単位で役立つ表現を覚えることはハードルが下がるはずです。
優先して覚えるフレーズから、使えるようになるまで、どんどん暗記していきましょう、
・お金
例)学生は海外で勉強すべきか?
→多くの生徒にとって、海外で勉強するお金がない。
・健康
例)日本食を好む人は増えるか?
→日本食は健康にいい。
・便利
例)コンビニは24時間営業すべきか?
→年中無休であることは、消費者にとって便利だ
・時間
例)定期的な運動をすることはいいことか?
→忙しい社会人は定期的な運動する時間がない。
・環境
例)電車での旅行と車での旅行どちらがいいか?
→車でなく電車を選択することは、環境にいい。
こういう視点から覚える例文を取捨選択するのもいいでしょう。
Convenience stores are useful, when you are in a hurry or it is late at night.
こういった文章を覚えて、主語を変えて他でも使いまわせそうだと意識することが大切です。
また、
More and more people are beoming health-conscious and going bed to early.
(ますます多くの人が、健康志向になってきており、早く寝るようになっている)
という表現を見たら、“health-conscious っていろいろな場面で使えそうだな”と考えながら読み込みましょう。
⑤ 繰り返し音読する
英語の学習は、目で学習をする人が多いですが、声に出して音読する学習をオススメします。
繰り返し音読することで、英語の感覚が身体に沁みてくるようになります。
参考書の模範解答を何度も音読することで、リーディングでの読むスピードが上がったり、フレーズを何度も音読することで、2次の面接対策になります。
黙々と参考書を読んだり問題集を解くという作業は単調になりがちです。声に出して音読することで、脳に刺激を与えることもできます。
英検準2級ライティング対策のまとめ
個人的には、「英検2級ライティング大特訓」(アスク出版)か「英検2級ライティング問題」(旺文社)のどちらかを1冊しっかり学習するのがおすすめします。
皆さんの目指すゴールや、かけられる時間によって、学習方法は異なると思いますが、この2冊のどちらかを選択すれば間違いないでしょう。
あくまで、英検準2級合格は通過点。という意識の高い学習者なら、「英検2級ライティング大特訓」をぜひとも選択していただきたいです。
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