英検準1級のライティング対策におすすめの参考書をご紹介します。
英検では、準1級に限らずライティングの配点が高く、しっかりとした対策が必要とされます。
具体的な英検準1級の対策には、YouTubeなどでも紹介されていますが、メインとなるライティング対策の参考書は1冊持っておいた方がいいです。(対策動画は以下のものがオススメです。)
ライティング以外の英検準1級の学習法は、下の関連記事をご覧ください。
[getpost id=”8295″ title=”関連記事” target=”_blank”]
日本では、まだまだリーディング偏向の教育をしている学校がほとんどですので、ライティング(英作文)を苦手にする人がほとんどでしょう。
しかも、個人のライティング能力は、「これまでに、どれだけ丁寧に英語に向き合ってきたか」ということに左右されますので、ちょっとした対策で、すぐに理想的な英文が書けるようになるわけではありません。
では、英検準1級のライティングで高得点を取るのは難しいのでしょうか?
いえ。英検級にライティングテスト導入された当時は、かなり混乱した受験生も多かったと思いますが、過去の問題も蓄積されてきて、有効な対策を取ることが可能になってきました。
まずは、しっかり敵(出題傾向)をしっかり知ることが大切です。
敵を知り、己を知れば、百戦して殆(あや)うからず
まずは、英検準1級のライティングの出題傾向から説明します。
英検準1級ライティングの出題傾向
英検準1級ライティングの出題傾向は、例年同じ形式になります。
英検準1級ライティングの出題形式
英検準1級ライティングの出題形式は、毎年一定です。2021年度第1回の過去問を参考に分析してみます。
英検準1級のライティング問題は、日本文をカッチリ英訳する問題でなければ、思ったこと感じたことを自由に書ける英作文ではなく、与えられたTOPICに対して、自分の主張を展開する必要があります。
与えられたトピックも『小規模で自営の商店と企業は、現代社会で生き残ることができる』というものに対して、YESかNOで答えて、理由をつけて120~150語で自説を主張する必要があります。
具体的に問題を見てみましょう。
賛成か?反対か?:大企業は社会に対して肯定的な影響を及ぼす
・製品
・経済
・環境
・ワークライフバランス
●introduction(導入)、main body(本論)、conlusion(結論)で構成する
その他、次のようなテーマで過去に出題されています。
・賛成か?反対か?:公共の安全を向上させるために、より多くのことがなされる必要がある。
・賛成か?反対か?:地方自治体がテーマパークや博物館のような観光施設を建てることは、いい考えだ
英検準1級ライティングの構成
英検のライティングでは、決まった構成で書くようにしましょう。前述の過去問を参考に構成を説明します。
英検準1級のライティング問題では、次のように要求してきます。
・製品
・経済
・環境
・ワークライフバランス
●introduction(導入)、main body(本論)、conlusion(結論)で構成する
ですので、それに対する解答形式も決まってきます。
introduction(導入) | 自分の意見 | 私は〇〇に賛成だ |
main body(本論)① | 理由① | |
main body(本論)② | 理由② | |
Conclusion(結論) | 結論 | したがって、これら2つの理由により、私は〇〇に賛成だ |
英検準1級におけるライティングの重要性
以下の表をご覧になっていただければ分かるように、英検のライティングは、たったの1問の出題に関わらず。配点が1次試験の1/3とかなりのウェイトを占めます。
技能 | 出題形式 | 満点スコア |
Reading(読む) | 大問1 短文の語句空所補充 | 750点 |
大問2 長文の語句空所補充 | ||
大問3 長文の内容一致選択 | ||
Writing(書く) | 英作文 | 750点 |
Listening(聞く) | 第1部 会話の内容一致選択 | 750点 |
第2部 文の内容一致選択 | ||
第3部 Real-Life形式の放送内容に関する質問に答える |
しかも、英検準1級では、英検2級までと比べて、一気に使う語彙のレベルが上がるりますので、それなりの対策が必要とおなります。英検2級まで、ちょこちょこと対策をすれば、合格レベルの答案を作成できたという人も英検準1級では、かなり苦戦することも予想されます。
ライティングに苦手意識を持つ学習者が多いことから、このライティング重視の配点をピンチと感じるかもしれません。
しかし、ピンチはチャンスです。
苦手意識を持つ受験生が多いからこそ、しっかりした対策を取ることで、他のライバルたちに差をつけることができます。
リーディングやリスニングがまだ仕上がっていない受験生でも、ライティングで効率的に得点することで、<下剋上>も可能になります
英検準1級ライティング対策におすすめの3冊
英検のライティング対策は、目標とする級の対策問題集を繰り返し学習することが近道です。
英検準1級の過去問を分析して、よく出そうな表現をどんどん覚えていきます。
日本文を読んで英文でスラスラ書けるようになるまで繰り返すことが大切です。
おすすめ① 「英検準1級ライティング大特訓」
エッセイ問題を得点源にしたい学習者におすすめ!
植田一三編著の「英検準1級ライティング大特訓」(アスク出版)は、当サイトで最もおすすめの1冊です。迷ったらコレを選べば、間違いないです。
植田先生の書籍というと、レベルが高いものが多いので、敬遠する学習者もいるかもしれませんが、英検準1級レベルのライティング対策として非常にすぐれています。
どの英検対策問題集も、予想問題とその模範解答という構成はだいたい同じですが、「英検準1級ライティング大特訓」は超重要コロケーションや基本動詞の使い方なども解説されています。また、付録の必須表現100や必須例文50も、英検準1級で使える表現が集中して学べます。
また、予想問題の模範解答も、「4点の解答」「5点の解答」「満点解答」などがあり、“コレがどうして満点解答でないのか?”といった視点から読んでみるのもいいでしょう。
もちろん、この1冊を完璧に覚えるのは、まず不可能です。ですから、自分なりに過去問を分析して、使えそうな表現を優先的に覚えることをお勧めします。
おすすめ② 「英検準1級ライティング問題」
厳選13問で英作文問題を徹底攻略!
英検準1級の英作文(ライティング)問題に特化した対策書です。●エッセーについて基礎から学べる!
試験形式と過去問分析、エッセーの構成、エッセーを書く前に考えておくべきことなどを
詳しく解説しています。●厳選13問に挑戦できる!
オリジナル問題13問を収録。
解答例はAgree/Disagreeの2パターンを掲載しているので、多様な解答パターンを学習できます。●「時事解説&単語ブック」付き!
出題が予想される時事トピックの解説と語句・フレーズをまとめた別冊付きです。●音声ダウンロード付き!
練習問題と模擬テストの解答例の音声をダウンロードできます。●旺文社は英検書書店売上No.1!
日販オープンネットワーク「WIN」約2,700書店調べ(2017年1月-12月の英検書ジャンル売上部数より)
必要最低限をサクッと学習したい人におすすめの1冊
前述の「英検準1級ライティング大特訓」(アスク出版)と比べるとオーソドックスな1冊です。
『英検準1級ライティング問題』は、次の3つのChapterから成っています。
・Chapter2 練習問題
・Chapter3 模擬テスト
Chapter1では、攻略のポイントとして、出題傾向やエッセーの書き方を詳しく解説がされいます。
そして、Chapter2では、次の分野の10のTOPICについて、練習問題があります。
社会、生活、環境、ビジネス、生活、テクノロジー、社会、教育、社会、インターネット
Chapter3では、仕上げとして3つの模擬テスト(生活、ビジネス、社会)があります。
この1冊をしっかり取り組めば、英検準1級のライティング対策としては十分だと思います。
ただし、皆さんご存知の通りライティングの力は一朝一夕に身につくものではありませんので、英文を書く力が完璧になるものではありません。あくまで英検準1級のライティング対策として、他の受験生に差をつけられない効果が期待できるものと思われます。
クセのないオーソドックスな1冊です。淡々と、予想問題とその模範解答を中心に解説されています。
「英検準1級ライティング大特訓」に比べると情報量は少ないのですが、それでも合格点を取るには十分な内容です。
おすすめ③ 「英検準1級面接大特訓」
英検準1級の面接対策の参考書もライティング対策に役立ちます。
特に政治・行政・高齢化社会・消費者動向・メディア・環境教育・テクノロジー・環境・健康といった分野から、試験に出そうな表現を“つまみ食い”しましょう。
英検2級までであれば、中学レベルの語彙でも対応できますが、英検準1級では、もう少し高いレベル語彙を使わないと書き上げることは難しくなります。
例えば、以下のような表現は、スピーキングだけなくライティングでも使いまわしが効くでしょう。
・Our society is becoming more
and more competitive due to the
increasing globalization.
(社会は一層のグローバル化のため、ますます競争が激しくなっている)・It’s often pointed out that there will
be more loser and fewer winners, which
will widen the income gap between them.
(勝者が少なく敗者が増え、そのことで所得格差は益々大きくなるだろうと、よく指摘されている)ー『英検準1級面接大特訓』185ページよりー
ライティング対策と英検の面接対策は、まったくの別物ではなく、重複する部分も多いです。1次試験合格後にあわてて面接対策をするのではなく、ゆとりを持って対策するといいでしょう。
英検準1級ライティングの学習法
「英検準1級ライティング大特訓」などの対策本をどう学習していくか悩む学習者も多いと思います。
英検準1級ライティングの学習法として、4つの方法をご紹介します。どれも大切なことですので、自分なりにやり方にプラスアルファして取り入れてみてください。
① まずは問題を自分の力で解いてみる
いきなり模範解答を何問か丸暗記するという学習法を取る学習者が多いですが、まずは問題を自分の力で解いてみましょう。
面倒だからとか、解ける自信がな1からという理由で、自身の手を動かして実際に解いてみるという作業を省く学習者が多いようです。
しかし、仮に全く歯が立たなかったとしても、自分の不得意な部分があぶり出されます。
・単数するにするか、複数にするか悩む
・冠詞をどうするか悩む
・簡単な単語が意外と書けない
模範解答の丸暗記も強力な勉強方法ですが、それだけでは気づかない自分の弱点を、実際に手を動かすことで、知ることができます。これは直前に気づいても遅いので、最初から取り組むべきことです。
<3単現のS>と言うと、「そんなの楽勝!」と甘く見る人が多いですが、ライティングやスピーキングに限っては、抜けてしまう人が多いです。
② 模範解答を丸暗記する
自分の頭でひねり出した英文よりも、模範解答をそのまま書き写した方が、ミスもなく高得点になります。
特に英検のような限られた範囲のライティングとして、予想問題などの模範解答を丸暗記するのが実力UPの一番の近道です。
前述の「英検準1級ライティング大特訓」(アスク出版)の模範解答をすべて丸暗記すれば、間違いなく高得点が狙えます。しかし、そこまで記憶力に自信がある人も少ないと思います。
そこで、2~3題覚えるだけでもかなり違ってきます。それも厳しい方は、最低1題は丸暗記をしましょう。
たった1題でも、10回くらい自分で用紙に書く練習をすれば、80語~100語という語数のボリューム感がつかめるはずです。この感覚というのは、実際の本番で大きな力になるはずです。
③ フレーズ単位役立つ表現を覚える
模範解答を丸暗記することは理想のライティング学習法ですが、実際に実行できる方は限られていると思いますし、試験まで時間がなく、そこまで手が回らないという学習者も多いでしょう。
模範解答の丸暗記は難しくても、レーズ単位で役立つ表現を覚えることはハードルが下がるはずです。
優先して覚えるフレーズから、使えるようになるまで、どんどん暗記していきましょう、
・お金
例)学生は海外で勉強すべきか?
→多くの生徒にとって、海外で勉強するお金がない。
・健康
例)日本食を好む人は増えるか?
→日本食は健康にいい。
・便利
例)コンビニは24時間営業すべきか?
→年中無休であることは、消費者にとって便利だ
・時間
例)定期的な運動をすることはいいことか?
→忙しい社会人は定期的な運動する時間がない。
・環境
例)電車での旅行と車での旅行どちらがいいか?
→車でなく電車を選択することは、環境にいい。
こういう視点から覚える例文を取捨選択するのもいいでしょう。
Convenience stores are useful, when you are in a hurry or it is late at night.
こういった文章を覚えて、主語を変えて他でも使いまわせそうだと意識することが大切です。
また、
More and more people are beoming health-conscious and going bed to early.
(ますます多くの人が、健康志向になってきており、早く寝るようになっている)
という表現を見たら、“health-conscious っていろいろな場面で使えそうだな”と考えながら読み込みましょう。
④ 繰り返し音読する
英語の学習は、目で学習をする人が多いですが、声に出して音読する学習をオススメします。
繰り返し音読することで、英語の感覚が身体に沁みてくるようになります。
参考書の模範解答を何度も音読することで、リーディングでの読むスピードが上がったり、フレーズを何度も音読することで、2次の面接対策になります。
黙々と参考書を読んだり問題集を解くという作業は単調になりがちです。声に出して音読することで、脳に刺激を与えることもできます。
私が劇的に書く力を伸ばした勉強方法
私が劇的に書く力を伸ばした勉強法を紹介する前に前提として、お伝えしたいのは書く力を身につけるためには本当に時間がかかるということです。
本当に高いライティング能力を身につけるための必要な時間は、1年や2年でも足りないと思います。
ただ、英検準1級を目指す方にとって、勉強の範囲はライティングだけではありません。
英検準1級のライティング対策として、定評のある瞬間英作文を勧める人もいます。
もちろん、瞬間英作文で英作文はもちろん、話す力を上げた方も多いと思いますし、素晴らしい学習法だと思います。
しかし、英検準1級のライティングは、エッセーです。「趣味は何ですか?」とか「駅にはどうやって行けば近いか?」などの身の回りのことを表現する文章とは違います。
私がライティングの力を伸ばした1冊を紹介します。
この1冊がお勧めです。
②まとまった内容のある文章
英検準1級の長文の語彙のレベルはかなり高いですが、英検2級の長文は公立高校入試問題の長文よりちょっと難しい程度です。
公立高校入試問題のレベルの英文で、英検準1級のエッセーは十分対応可能です。(一部の語彙はプラスαが必要)
英検準1級の長文レベルより数段落とした素材でライティングの勉強をするのが、オススメです。もちろん、公立高校の入試問題(長文)をテキストとして使ってもいいです。
ただ、②のまとまった内容のある文章という点で、英検2級の長文読解の問題集を使った方がいいです。エッセーに必要とされる多少の知的な要素が含まれています。
ライティングのトレーニングをする時に重要なこと
もし、ライティングのトレーニングが必要と考えるなら、英検2級長文読解問題150がオススメですが、
②まとまった内容のある文章
この2つの要素を満たしていれば何でもいいと思います。
むしろ、自分が面白いと思える素材を選んだ方が集中して取り組めるはずです。ただし、あくまでゴールを英検準1級に設定しているのであれば、その傾向に近い文章が多いものを選ぶのが賢明です。
和訳を必ず自分で書いてみる
これは、とても大切なことです。せっかく英作文のテキストを買っても、自分で和訳を書かずに、模範解答を眺めておしまいという学習者は多いです。
和訳をするときは、絶対に英文を先に見ない
これもライティング学習者がやりがちなことです。自分で和訳を書く前に模範解答の英文を見たくなります。
この誘惑は絶対に跳ねのけましょう。
ちなみに、英検2級長文読解問題150で、1つの長文を和訳しようとしたら、はじめのうちは3時間くらいかかると思います。
しかも、ライティングはかなり集中力を要する作業です。
ですので、毎日1日30分ずつ、段落に分けて継続していきましょう。はじめの1ヶ月は、作業の負担のわりに効果が実感できないかもしれませんが、3カ月も続ければ、見違えるような力がつくはずです。
英検準1級ライティング対策のまとめ
個人的には、「英検準1級ライティング大特訓」(アスク出版)か「英検準1級ライティング問題」(旺文社)のどちらかを1冊しっかり学習するのがおすすめします。
皆さんの目指すゴールや、かけられる時間によって、学習方法は異なると思いますが、この2冊のどちらかを選択すれば間違いないでしょう。
あくまで、英検準1級合格は通過点。という意識の高い学習者なら、「英検準1級ライティング大特訓」をぜひとも選択していただきたいです。
コメント