英検2級に独学で合格する勉強法について参考書選びをメインに紹介します。
英検2級のレベルの目安は、「高校卒業程度」で、「社会生活に必要な英語を理解し、使用できること」となっています。英語が得意な高校生や、帰国子女若しくは難関高校を目指す意欲的な中学生など若い世代の受験が目立ちます。
だからと言って、決して容易な試験ではなく、しっかりした準備を怠ると、大学受験を終えたばかりの受験生でも苦戦するでしょう。
また、英検2級であれば、履歴書でのアピールポイントにもなりますので、頑張って取得する価値のある資格と言えます。
英検2級とはどんな試験?
目指す方は、当然に知っていると思いますが、念のため簡単に説明します。
●一次試験 筆記テスト(85分)とリスニングテスト(約25分)
●二次試験 面接(約7分)
・筆記テスト
マークシート方式38問と80~100語の英文を書く英作文問題が1問
・リスニングテクスト
マークシート方式30問
・面接
面接委員と向き合って行うスピーキングテスト。「問題カード」を渡され、文章を音読したり、ストーリーを説明したり、面接委員の質問4問に答える。
当然に二次試験は、一次試験合格者のみ受験が可能です。
例年3回の受験機会があります。
2021年度を例にとると次の通りです。
第1回検定 | 第2回検定 | 第3回検定 | |
受付期間 | 3月25日 ~4月15日 |
8月1日 ~8月27日 |
11月1日 ~12月10日 |
一次試験 | 2021年 5月30日 |
2021年 10月10日 |
2022年 1月23日 |
二次試験 | 2021年 6月27日 |
2021年 11月7日 |
2022年 2月20日 |
※二次試験の日程はA日程のみ記載。B日程は、それぞれ1週間後です。
また、検定料は9,700円(税込)なります。
英検2級合格に必要な参考書(一次試験)
英検2級合格に必要な参考書を分野別に紹介します。基本的には英検対策に定評のある旺文社からの参考書で十分です。
大手書店の英検の棚をのぞいても、旺文社の参考書や問題集であふれているのが分かると思います。
英検2級の出題傾向を知る参考書
英検2級だけでなくどの級にも言えることですが、過去の試験傾向を知ることが大切になります。
オススメの書籍は、過去問集です。
英検の出題傾向は毎年同じ形式です。
出題形式を知らずに英検2級に取り組むことは、かなりの無謀な行為です。資格試験合格に絶対にしてはいけないことは、出題傾向や問題形式を知らずにひたすら勉強をすることです。
過去問と言うと、直前期の力試しとして使用しようと考える方もいると思いますが、試験傾向を知る上で、過去問に勝る教材はありません。
次の1冊はマストです。
かなりの分量になりますが、詳しい解説もあり実力養成にも役立ちます。
実際に自分の力で解くことによって、自分の力がどれだけ足りないのか掴むことができますし、苦手分野の発見につながります。
もちろん、過去問をすべて解くのが理想ですが、なかには時間の関係で難しいという学習者もいると思います。
そういった場合は、次の1冊がオススメです。
集中ゼミは、20日間で英検2級の一次試験突破を目指す問題集です。
集中ゼミをオススメする理由は次の特徴があるからです。
●1日30分でできる!
よく1日30分と銘打ちながら、「こんなの絶対に30分じゃ終わらない!」という学習参考書をよく見かけますが、この本当に30分でこなせます。
●20日間で総仕上げまでできる!
あくまで試験傾向を知ることが目的ですので、この1冊にそこまで時間をかけれません。頑張れば2週間で終えることも可能です。
●問題形式に沿って学べる!
1日30分20日間と取り組みやすいことを強調しましたが、肝心なのは、その中身です。1冊こなせば、問題形式が分かるので、その後の学習に多いに役立ちます。
じっくりと英語力養成をしながら英検2級を目指す1冊
大学受験を終えたばかりの大学生のように、高校卒業程度の英語力はあるけど英検2級の出題傾向をサクッと知りたいという短期決戦で勝負したい方にオススメの1冊です。
すでに、英語のレベルが英検2級レベルに達している学習者や、極端に時間が足りたない方は、
英検2級 過去6回全問題集
英検2級 集中ゼミ
このどちらかだけでも対策として十分だと思います。
しかし、英検2級レベルに達していない方が、じっくりと時間をかけて、
①英語力養成
②出題傾向への対策
この両方の対策を取りたいなら、次の一冊がオススメです。
ただし、この教本は、過去問をさっと目を通して、7割方分かりそうという方には必要ありません。
特に高校時代にそれなりに英語の勉強をしてきたり、大学受験を終えた大学生にとっては、少し退屈な内容になります。
ちょっと過去問に目を通したけど難しそう
そんな方が最初に取り組む1冊としてオススメです。
さて、総合対策教本を終えて、過去問や集中ゼミに取り組むうちに自分の苦手分野がハッキリとしてくるはずです。
語彙、長文、ライティング、リスニング
よほどの実力者でない限り、すべての分野に自信があるという方はいないと思います。
苦手分野の補強が必要になります。
英検2級の英単熟語集
英検2級の対策として、英単語の学習から入る方が多いです。
それは英検2級だろうがそれ以外の級だろうが、必要とされる語彙力がなければ、話にないからです。
語彙力がなければ、長文読解はもちろん、ライティング、リスニングもままなりません。
ガンガン英単語・英熟語を覚えましょう。
理想は、過去問集と並行して英単熟語集を取り組むことです。
英単熟語集は次の2冊です。どちらか1冊で十分です。
どちらを選ぶべきか?
それは、あなたの英単語の学び方によります。
長文で覚える
※似ている学参→速読英単語
②でる順パス単 英検2級
短文で覚える
※似ている学さん→ターゲット1900
個人的には、英単語は長文の中から自然に覚えるタイプが好きです。長文と言っても20行程の文章になりますが、それを繰り返し音読することで体に染み込む感覚になるまで繰り返すとかなり力がつくはずです。
ただ、短文の方が効率良く覚えられるという人もいるでしょう。
そこは個人の好みがあると思いますので、各自のお好みに任せてお選びください。
もちろん、大学受験しっかりと単語を覚えた方は、そこまでしっかりと取り組む必要はありません。購入の必要もないかもしれませんが、穴になっている単語や熟語がないか念のため確認するといいでしょう。
英検2級のリスニング
英検2級に合格するためには、リスニングの学習は必須です。
ですので、ヒアリングマラソンやNHKのラジオ講座に取り組んで聞き取りの力を強化している方も多いと思います。
確かに、そういった学習をしていれば、ニュースの英語や平易な海外ドラマなら聞き取れるようなるでしょう。しかし、そういった実力がつくには何年もかかること必死です。
英検2級合格への近道は、出題傾向に合った学習です。リスニングの本当の力をつけようとやる気を出したら、間違いなく泥沼にハマります。
そこでオススメなのが次の1冊です。
リスニングに不慣れな方にありがちですが、どこか一箇所が気になり考え込んでいると、ナレーションは一気に進んでしまいドツボに嵌ります。出題パタンに合わせて要領よく解答して得点を伸ばす訓練が必要となります。
よほどの実力者でない限り、リスニング問題のナレーションをスクリプトに書いたかのように明確に聞き取るのは難しいです。
分からないなり、聞き取れないなりに解答を当てる精度を高める訓練をしましょう。
過去の問題や予想問題でリスニングの訓練をすれば、正解に迷ったときに消去法で選んだ時の正解率が上がると思います。
これは、資格試験の負の側面ですが、過去の対策をしっかりと取り組むことで、実力以上の得点を出せることが多くなります。
私の知人でしっかりと過去の傾向に対する対策に取り組んだ多くの人が、「なんとなく選んだ選択肢もことごくと正解した」と言っていました。
逆に対策をしっかりしなかった人は、「思ったより不正解が多かった」と感じる傾向が高いように思えます。
あと、意外に思われるかもしれませんが、まとまった文章を繰り返し音読をするとリスニング力もアップした経験があります。
少し簡単に思えるほどのCD付きの長文を何度も音読すると、リスニングだけでなく、ライティングにもいい影響が出てくるはずです。
英検2級のライティング
英検2級でライティング?
準1級からじゃないの?
そう思われる方も多いと思います。
実は、2016年度第1回から英検がリニューアルしました。全級の4技能化に受けた問題形式の大幅な変更とともに英検2級にもライティングが課されることになりました。
英作文を苦手とする学習者は多いはずですので、かなりの負担になるはずです。しかも、内容的にもかなり難易度が高いです。
しかし、救いなのは、英検準1級におけるライティングの一次試験に占める配点の割合が三分の一程度とかなり高いのに対して、英検2級では、ライティングは84点満点中16点の配点だと言われています。これは大きな差です。
正直、ライティングは時間をかける割に得点に反映されにくい分野となりますので、過去問をパラパラと眺めるなど、最低限の学習で済ますという手もあるでしょう。
しかし、将来的に英検準1級を目指したり、英語のレベルのさならるステップアップを考えている学習者にとっては、しっかりと取り組んでおくと将来的に役に立つはずです。
次の1冊をオススメします。
この1冊をしっかり取り組むことで、かなり実力がつきます。
著者の植田一三氏の参考書は、どれもレベル以上の難易度のものが多いです。ですが、しっかりと取り組めばかなりの力がつきます。
しかし、現段階の学力が英検2級レベルにかなり劣る場合は、避けた方がいいでしょう。
英検2級ライティング対策の参考書に関する詳しい情報は、以下の関連記事をご覧ください。
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英検2級のリーディング
英検2級のリーディングは、前述の単熟語集である程度マスターしたら、集中してリーディングを訓練するといいでしょう。
文中の単語や熟語をほぼ知ってても、長文読解に慣れていないと、必要以上に読み取りに時間がかったり正しく読み取れなかったりします。
長文読解は次の1冊がオススメです。
英検2級合格に必要な参考書(二次試験)
英検2級の二次試験合格に必要な参考書をご紹介します。
英検2級の二次試験と言えば、面接つまりスピーキングテストです。
日本人の多くは、スピーキングテストというと尻込みしてしまい、一次試験に合格しても、ビビッて受験を回避される方までいます。しかし、必要以上に恐れる必要はありません。
一次試験に合格する実力があるのなら、しっかりと対策をすれば二次合格の可能性は多いにあります。
とはいえ、多くの受験生は、一次試験の勉強で手一杯のはずですから、一次試験終了時までに十分な面接対策を取れている方は少ないと思います。
しかし、一次試験終了から二次試験まではたいてい1ヶ月近くあります。
よく英検2級の面接対策にオンライン英会話を勧める方もいます。もちろん、英会話上達のためには取り組んだ方がいい学習法です。
しかし、この記事では、限られた時間の中でどう効率的に英検2級合格を目指すかに焦点をあてています。
次の1冊をしっかり取り組めば十分に面接クリアできるはずです。
まとめ 英検2級合格のために
英検2級合格を目指す方のために必要な参考と、その取り組む姿勢を中心に述べました。
真剣に取り組むと、かなりやることが多くなり消化不良になります。
もちろん、完璧を目指すことは悪いことではありませんが、どこかで割り切って手を抜く分野を作ることも必要です。
それでも、結構やることが多いなと気持ちがすくんだ方もいると思います。また、やる気に火がついた人もいると思います。
あなたはどちらですか?
正直、紹介した参考書をすべてこなすのは困難です。
時間がない方は、
過去問集(集中ゼミ) + 英単熟語集
この2冊を徹底的に学習してみてください。
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